もう1つの経営課題とは、事業規模の拡大である。同社の2006年12月期の連結売上高は65億3,900万円。それが2007年6月中間期の連結売上高ではすでに前年同期比78.9%増の40億5,100万円と急増している。これに対し研究開発費を含む設備投資は売上高の10%強に当たる8億円前後も投入されてきた。しかもその費用は年々増加する一方。「新しい開発に投資し続けられること」(白木)を経営目標に掲げている同社にとっても、大きな負担となって重くのしかかっている。
「創業以来、資金調達に苦労したことはありません」(同)という同社だが、パソコンや携帯電話向け小型モーターの需要は極めて高く、その分、量産化に伴う資金需要ははかり知れない。つまり財務体質の強化がもう1つの課題として浮上しているのだ。2004年8月、東証マザーズに上場を果たした同社だが、白木は「新興市場では資金調達に限界を感じている。東証1部か2部に上場できればと思っています」と、新たな上場戦略を打ち明ける。
白木は会社の未来像について、「競争力を強化するだけではなく、企業規模を大きくして社会への貢献度を高めたい。今期(2007年12月期)の連結売上高は100億円を見込んでいますが、少なくともその10倍ぐらいには成長したいです」と語る。しかも事業規模の拡大に伴う人材の確保については、白木が大学時代に設立した「特許研究部」の人脈が今でも有力なネットワークとして機能しているという。国内外から脚光を浴びる同社の技術力を、事業規模が拡大するなかでどう継承させていくのか。〝発明家〟白木が経営手腕を発揮する場面がますます増えそうだ。(敬称略)