コロナ禍でがんばる中小企業
オンライン展示会出展で落ち込みをカバー【滝澤ベニヤ株式会社】(北海道芦別市)
2021年 7月 20日
1.コロナでどのような影響を受けましたか
北海道産広葉樹の丸太を、大根の桂剥きのように薄く剥いて薄い板を作り、その板を何層にも重ねて厚い板にした合板を製造・販売している。1936年の創業以来、人の目が行き届く製造にこだわり、丸太から加工することで多品種、高品質、少量生産に取り組んでいる。単板から製造しているので、お客様のニーズに応じて合板のグレードや厚みに細かく対応できるのが強みだ。
自社の合板を加工したインテリア製品の販売もしているが、コロナ禍で道外や海外での展示会などができなかったことや、先方に荷物を送れなくなったことでインテリア製品の販売量はコロナ前の2019年に比べ2020年は20%減少した。当社のメイン業務である合板の販売量も店舗など新規物件の工事が中止や延期になったため20年は前年比約15%程度減少した。
2.どのような対策を講じましたか
インテリア製品の販路の柱だった展示会出展は、コロナでリアル出展が難しくなったので日本貿易振興機構(ジェトロ)の海外Web展示会を利用してみた。2020年8月に米ニューヨーク、同年11月に仏だったが、Web展示会だと海外取引先との打ち合わせがすぐにできる。世界中に自社製品をオンライン上で継続的にPRすることもでき、海外からの問い合わせ件数がコロナ前に比べ20%程度増えた。これまでに新規の契約を7~8件獲得することができた。
リアルの展示会では旅費や製品の運搬費などで通常60~70万円の費用がかかる。展示ブースを自社で構築するとなれば1会場あたり300~400万円かかることも珍しくない。Web展示会はこれらの費用がかからないこともメリットだった。
3.今後はどのように展開していく予定ですか
商品の展示会出展では引き続き海外のWEB展示会を利用していく。直接出展に比べると出展費用をかなり抑えられるだけではなく、違う国の展示会にも同時出展できる。今後も広げていこうと思う。まだWEB展示会を利用していない日本国内の展示会でもWeb出展を検討している。
ただ木材製品を売るだけではなく、環境に配慮した製品作りも強化していきたい。環境保護やサスティナブルが当たり前になりつつある時代だが、合板の接着剤にはシックハウス症候群や自律神経失調症を引き起こす心配がないものを使用するなど、当社はもともと環境配慮に注力している。
日本は2050年に向けて二酸化炭素の排出量をゼロにすると国内外に宣言しており、これから企業や自治体で環境配慮型の木材を使用した建材やインテリア製品が必要になってくるだろう。日本は安い海外産木材に押されて国産材の利用が進んでいないが、間伐材などパルプ材料になってしまっている国産材は少なくない。資源を有効利用した製品開発に取り組んでいきたい。
企業データ
- 企業名
- 滝澤ベニヤ株式会社
- Webサイト
- 設立
- 1936年8月10日
- 代表者
- 瀧澤量久 氏
- 所在地
- 北海道芦別市野花南町1000番地
- Tel
- 0124-27-3111
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