今でこそ日本は国別の特許出願件数では世界でもトップクラスを誇るが、白木はその特許の観点から日本の技術軽視の現状を憂える一人だ。「技術者に対する社会的な評価が低い。野球の選手と同じように技術者にも成果に見合ったそれだけの収入を与えるべきだ」というのが白木の持論。この対策として白木が提言するのが特許料の問題だ。
「特許庁も収入印紙だけ取るのではなく、優秀な特許技術だと思ったら中小企業を対象に年1件や2件、3億円程度の報奨金を提供したらどうかと申し上げているのです」。これがかねてからの白木の提言である。「そうすればこれが励みになって特許申請を目指す人が増えます。中小企業の技術者がすばらしい技術を開発しても、会社自体が3億円の報奨金を用意するのは現実にはたいへん難しいと思います」という白木の言葉には、実体験に裏打ちされた重みを感じさせるものがある。
白木はさらにこう続ける。人材育成というビジネス成長の核、その前提となる理工系の学生離れに歯止めが掛からない原因についても「政治家に理工系出身者が少ないことも一因になっています。その分、技術に対する理解が足りないわけです」と、国を挙げての技術振興の強化を求めている。