BreakThrough 企業インタビュー
盗聴、盗撮電波を手軽に検知「andea」 新たな安心・安全のインフラとなるか【みききんず株式会社】
2017年 11月 23日
summary
「盗聴・盗撮は危険が増している一方で対策は進んでいない」ことに目をつけた
情報漏洩対策、プライバシー保護は必ずニーズがある
「安心安全」の女性目線も忘れない
プライバシー保護を専門業者の手から身近なものへ
情報漏洩やプライバシーの暴露など、誰もが盗聴・盗撮の危険と隣合わせの時代。だが、まだどこか他人事のような気がしてしまい、具体的な対策を講じている人は少ないだろう。PCのセキュリティやスマホの覗き見防止は考えても、盗聴・盗撮対策となると「探偵に頼むもの」「テレビの世界のもの」とどこか思ってしまう人が多い。小型化・巧妙化する盗撮・盗聴器の進歩に、我々の意識が追いついていないのだ。事実、盗撮の検挙件数は5年前と比べ倍増している。
その時代に対応すべく、みききんず株式会社は、盗聴・盗撮対策やプライバシー保護に特化した事業を展開する。主力商品であるandea(アンデア)は、屋内用の盗聴・盗撮電波検知器。盗聴と盗撮のどちらにも対応しているのが大きな特徴で、1台でどちらの電波帯についても怪しいものがあれば検知し、発信源も特定してくれる。
そして最大のウリとなるのが、わかりやすい操作性と軽量でコンパクトな設計だ。ここに同社の「誰でも使えるように」という思想が表れている。探偵業者が使う機械のように複雑な作業は必要なく、操作はすべてボタンのみ。また、コンパクトな設計は、施設での狭いスペースでの設置や個人の持ち運びも可能になる。
女性目線で「安心」に新しい価値をプラス
コンパクトさの他にも、盗聴・盗撮の訪問調査を行う「電波レディ」の派遣サービスなど、女性の視点も重視しているというのも同社の特徴となっている。これには同社の代表が女性であることも関係しているだろう。実際に同社が盗聴・盗撮の相談を受け、女子大などの学校、スポーツ施設の更衣室など、特に女性がターゲットになりやすい場所での導入にも力を入れている。
現在、特に設置が進んでいるのは、ホテルや旅館等の宿泊施設が多い。また、引っ越しの前後に使用するなど、不動産関係からの引き合いもある。同社は、盗聴・盗撮電波調査を示す「電波クリーニング」というブランドマークも作成し、導入の証であるステッカーも配布している。対策済みであることは、上記のような施設にとって大きな安心安全のアピールとなる。
様々なサービスに付加が可能
みききんずが想定しているのは定期的な検知調査であり、施設が導入するだけでなく、自社でサービスを展開している事業者が付加サービスや営業ツールとして使用することも提案している。例えば警備会社、清掃等のビルメンテナンス業者がandeaを使うことで、防犯対策のメニューとして「盗聴・盗撮調査」という項目を加えることができるわけだ。
個人への普及も見据えてさらなる小型化を目指し、常にバッグに入れて持ち運ぶようなレベルのものの開発はこれからの課題。女性や若年層にとっての利便性も考え、スマホとの連携、アプリ化も視野に入れていく。電波検知は、そこまで手軽で身近なものになる可能性を秘めている。
防犯カメラも、登場した当時は仰々しさがあったが今では当たり前のものになった。みききんずが挑もうとしているのは、商品を売ることというより、「防犯対策の新しいインフラ整備」。andeaがあらゆる施設に導入され、消火器のように常備される社会を目指している。2020年に向けても、今後増えていくスポーツ関連施設、外国人向け施設でも導入されれば、日本の防犯対策そのものの価値も高まるにちがいない。
また、付加サービスとしての導入が容易なのも魅力的で、オフィスや教室といった様々な場所に出入りしている宅配業者やOA機器のメンテナンス業者などが、自社のサービスに電波検知を加えてもいいだろう。
企業データ
- 企業名
- みききんず株式会社
今や社会問題となっている盗聴盗撮の防犯問題ですが現在有効な手立てがないままになっています。当社は盗聴盗撮の防犯対策に特化して、盗聴盗撮の防犯対策機器の開発から製造販売、女性訪問調査員(電レディ)のサービスの提供などを行っている他に類がない独自性をもった企業です。