いよいよ本番、働き方改革

働き方改革本番、 多様で柔軟な働き方選択のために「中小企業庁」

2020年 3月 4日

インタビューに応じる森本補佐
インタビューに応じる森本補佐

働き方改革が広がってきた。少子高齢化で日本の労働人口が縮小に向かう中、労働生産性を上げるには効率的な働き方が必要になるためだ。政府は2019年4月に働き方改革関連法を施行、企業は年次有給休暇(年休)取得や残業時間の削減など順次スタートする改正事項の適用を迫られている。中小企業も例外ではないが、何から、どうすればいいのか。中小企業庁経営支援課の森本要課長補佐に聞いた。

4月から中小企業にも残業時間の上限規制の適用が開始

働き方改革は、魅力ある職場づくりであり、人手不足の解消にもつながります。魅力ある職場づくりは、人材の確保、業績の向上、利益増・従業員の処遇改善の好循環へとつながっていくものです。

働き方改革関連法の施行に伴い、昨年4月から年休10日以上の保有者に年5日以上の有休を取得することなどが求められています。今年4月からは「時間外労働(残業)の上限規制」の適用が開始されます。来年4月からは「同一労働同一賃金」も始まります。働き方改革に向けた中小企業・小規模事業者の皆様の取組も本番を迎えます。

そうはいっても人手が足りないし、設備も資金もない、残業を減らすなんてとても無理、という経営者の方もいらっしゃることと思います。他方で、経営者の方のマインドが変われば組織も変わりますし、事業も変わります。制度をご理解いただき、前向きな取組に対する支援ツールもご活用いただきながら、社内の働き方改革の推進を通じて、魅力ある職場へと様々な社内改革を進めるよう、アクションを起こしていただければと思います。

中企庁は生産性の向上に向けた取組を支援

中小企業庁は、中小企業・小規模事業者の皆様が働き方改革を始めとする制度変更に伴う環境変化に対応できるよう、生産性の向上に向けた取組などを強力に支援していきます。

具体的には、令和元年度補正予算において3,600億円が措置された「中小企業生産性革命推進事業」により、設備投資やITの活用によるバックオフィス業務の効率化、販路拡大などの取組を後押ししていきます。3月以降、順次公募を開始していきますので、ぜひご活用ください。

働き方改革に前向きに取り組んでいくためには、まず、具体的な取組のイメージを持っていただくことも重要と考えています。厚生労働省とも連携し、働き方改革への取組の成功事例をまとめたパンフレットも作成しています。ここでは例えば、システムや設備の見直しによる生産性の向上で残業時間を削減した事例や、業務のやり方の見直しで残業時間を削減した事例など、創意工夫によって残業時間の削減などに成功した事例を紹介しています。

よろず支援拠点や働き方改革推進支援センターへ相談を

4月からは、残業がある場合には、あらかじめ36協定を届け出ることが必要になります。36協定の作り方を始めとする制度への対応に向けた支援ツールや、様々な支援策をまとめた働き方改革支援ハンドブック、支援窓口の一覧など、働き方改革に関する情報は「働き方改革特設サイト」や「働き方改革の実現に向けて」をご覧いただければと思います。取組を進めていく上で、お役に立つ情報があるはずです。

また、直接、専門家などから、生産性の向上に向けた取組や業務改善に向けた取組に関しアドバイスを受けることができる相談窓口も用意しています。全国47都道府県に、よろず支援拠点、働き方改革推進支援センターを設置しましたので、専門家にご相談いただきながら、働き方改革などへの取組を進めていくことが可能です。働き方改革に関する説明会やセミナーも数多く開催しています。お電話でのご相談も受け付けておりますので、具体的な取組にお悩みの際は、こうした相談窓口も積極的にご活用いただきながら、働き方改革に向けた取組を進めていただければと思います。

中小企業庁としても、こうした支援策等の一層の周知に努めていくとともに、大企業の働き方改革に伴う中小企業への「しわ寄せ防止」等の取引適正化にも取り組んでいき、中小企業・小規模事業者の皆様が、働き方改革に取り組んでいけるような環境整備に努めていきます。働き方改革の趣旨や内容をご理解いただき、前向きに職場環境の改革を進めていただけるように、他省庁とも連携し、政府全体で働き方改革に取り組む皆様を支援していきます。(談)

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