頑張れシニアベンチャー
57歳で共済を設立した保険ベンチャー「プレミア少額短期保険」
最初はサラリーマンとしてビジネス人生を始動。保険業界が揺れる中、32年間勤務した職場を退職後、同じ業種でビジネスを展開。
プレミア少額短期保険株式会社
代表取締役社長 長島保之(ながしま・やすゆき)
昭和19年4月29日生まれ。神奈川県横須賀市出身。昭和42年東京生命入社。平成11年9月末に退職し、共済のための準備を行ない、平成13年7月に株式会社プレミアを創業。保険業法の改正に伴い、平成20年8月29日、プレミア少額短期保険株式会社へ商号変更。
保険業一筋、少額短期保険を設立し業界参入
——創業のご苦労を教えていただきますか?
私は、昭和42年に東京生命(現:T&Dフィナンシャル生命)に入社し、その会社で32年間勤務しました。勤務期間中のうち、10年間で5カ所の支店長を務めてきました。その間、営業をしていた関係で、矛盾点、問題点というようなものはいろいろと感じておりました。
また、時あたかも平成11年には、日産生命、東邦生命の経営が破たんし、平成11年9月に東京生命を退職することにしました。そして、時代にあった商品を模索し、結論として、契約者に利便性の高いサービスのみのシンプルな形の保険という発想に至りました。すなわち、同じ保険業として、今までの事業の連続として、共済を発足することにしたのです。
当初は、ボランティア活動を行なうNPOの会員に向けて、生命・医療の保障を提供するために、平成13年7月に「総合福祉共済会」が設立され、株式会社プレミアが共済の募集事業を受託して、その後、8年間にわたり販売してきました。
創業時に最も苦労したのは、お客様づくりと、知名度がないことでした。当時は、保険というとやはり、いわゆる保険会社が主体で、なかば保険会社のいいなりで顧客は入っておりましたので、当社の創業時は顧客不在で、お客様の予算に合わせて、納得づくで入っていただくほかはなかったのです。しかしながら、きちんと共済の良いところと悪いところを理解して入ってもらうことができました。今までのGNP(義理、人情、プレゼント)は、おかしいと思っていましたので、私は保険会社主導の加入にくさびを入れたかったのです。
その後、平成18年4月に改正保険業法が施工されたので、その年の8月29日に「少額短期保険業者」として国に申請をし、正式に登録を受けました。営業開始一年目は、着実に実績を積み重ねて消費者からの信頼を得るとともに、少額短期保険業者として健全な財務基盤を確立することに重点を置きました。
平成20年9月2日に商号変更をしてプレミア少額短期保険株式会社となりました。「お客様の暮らしに安心を提供する信頼できるパートナー」を経営理念にしております。家計にやさしく、幅広い保障をと思い、医療給付付き定期保険を提供しています。お客様のニーズに応じて総合的保障か、医療を重点にするか、死亡保障を重点にするか選べるような品ぞろえにしております。
具体的には、「フリーセレクト」という商品名で、ご自身で設計できるタイプになっています。この商品の特徴は、
- 自由自在に簡単設計
- 日帰り入院でも2日分の保障
- 三大疾病+糖尿病・肝硬変も手厚く保障
- 満5歳から最長85歳まで保障
- 更新時には再設定が可能
ということになります。
——現在の状況はいかがですか?
現在は販売代理店を着々と増やしており、同時に契約者に対するサービスをより充実させ、組織強化を一層拡充して、安定した財務基盤を確立するように努力しています。また、代理店にはパソコンで自動的に保険料を計算できるCDを配布して、必要事項へのチェックなどだけで保険料の合計を迅速に算出可能にするなど、商品設計を効率化しました。また、このCD提案の際に役立つ資料などもプリントアウトできます。
金融環境の変化でさらに飛躍を
——金融庁管轄下ですね。
はい、少額短期保険業界は金融庁の管轄下です。金融商品ですので、「少額短期業界」ができた時は、やはり規制が厳しかったのですが、世の中での認知度が上がるにつれて、規制も変化していくものと思っています。また、従来の生保に入っていただいている方々が、プラスアルファで当社商品に入っていただけるケースが多いようです。
——今後の事業展開を教えてください。
当社の「フリーセレクト」は、企業、団体の弔慰金・見舞金制度として活用できるものですから、事業者が契約者となり、構成員の弔意見舞金制度・福利厚生制度を充実させるための保険募集も行なっていきたいと思っています。
法人保険の特徴としては、
- 従業員だけではなく役員の方も加入できます。
- ケガだけでなく「病気」による、死亡、入院も含まれます。
- 各企業の弔慰金・見舞制度に合わせて自由に組み合わせができます。
- 告知書のみで加入でき、医師の診査は不要です。
- 保険受取人を「契約者」にすることもできます。
- 保険期間は1年毎の更新型です。構成員の変更(脱退、追加加入)も可能です。
等となっており、法人向けにもマーケティングを強化していく所存です。
掲載日:2010年12月 7日