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幸和工業

伝統を守り、新分野・海外に挑戦

伝統から挑戦へ-幸和工業は、煎餅などの和菓子から、クッキーやビスケットなどの洋菓子まで、美味しく焼けるさまざまな食品機械を顧客の厳しく細かいニーズに応じて1台ずつ丁寧に製造・販売している。得意とするのが、煎餅向けの焼成機で、島岡裕貴社長は「生地の配合から焼きまでを全自動化した煎餅焼機では、どこにも負けない」と胸を張るほど。おかげで主要な顧客は300社にのぼる。最近は5軸加工機の導入で、お菓子の品質を高める一方、省力化につながる自動装置の開発にも力を入れている。2016年には国際協力機構(JICA)と、海外での食品加工業の支援を通じ、装置の海外展開も始める。さらに自社の2軸エクストルーダー(膨化装置)で新たな米粉の開発にも着手するなど新たな挑戦を始めている。

  • 顧客ニーズに応えられる技術力
  • 時代の要求に応じられる柔軟さ
  • 新市場・新分野を目指す行動力

顧客のニーズ変化に応じ、自動化に対応

同社は、中堅・中小食品メーカー向けに年間で大小合わせて15~20台の食品機械を製造している。5年ほど前までは、焼成機がほぼ100%だったが、最近は、省力化やヒューマンエラーの回避を目的に、お菓子を焼いた後工程の自動化への需要が増えた。具体的には焼いた生地を自動で成形する装置や、生地にホイップクリームなどを自動充填する装置だが、この装置に試作から開発までかかる期間を最短なら2~3カ月間での対応を実現した。おかげで3~4割を占める。「今後は人材確保が難しくなり、需要増が期待できる」と島岡社長はさらに伸ばす方針だ。品質向上にも力を入れており、2010年にはお菓子の金型成形用に5軸加工機を導入。お菓子の重量のバラツキを抑え、簡単な形状なら相談時にラバーでの提示も可能にし、顧客への対応力を高めている。

幸和工業が開発した2軸式フードエクスルルーダー

One Point

インドネシアなど海外展開、食品にも着手

2016年4月、国際協力機構(JICA)とインドネシアで食品加工業の支援を始めた。自社の食品加工機で東ジャワ州の地元中小食品加工業者の生産性や商品開発力の向上を図るほか、自社機械の同国での販路開拓も進める。今後は、タイやベトナムなどへも検討する。さらに焼成機と並び、同社の主力製品である2軸エクストルーダー(顆粒や粉体などの食品材料を水を加えながら、高温下で2本のスクリューで圧力をかけて押し出し膨化させる装置)で新たな特性を持つ米粉を開発した。今後は成分の分析や用途展開に取り組む。これらの取り組みにより「現在の売上高3億8000万円(2016年4月期)を5年後には10億円にしたい」と島岡社長は意気込む。同社の新たな挑戦が始まっている。

企業データ

島岡裕貴社長
企業名
株式会社幸和工業
法人番号
7120001012273
代表者
島岡裕貴社長
所在地
大阪府大阪市東成区大今里南4の6の16
事業内容
食品機械製造販売