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竹尺や巻尺に代わり、シート状の紙や布を素早く正確に測定【東京ニホス株式会社】
2020年 3月 26日
製品名=「ハンディーメジャーシート」
シート状の物体を最長1kmまで精密測定
「ハンディーメジャーシート」は、布や紙といったシート状の物体の長さを、素早く、簡単かつ正確に測定できるツール。同製品を片手で持って、測定対象となる布や紙を上下のローラーの間に挟み、もう一方の手で測定対象物を引っ張るだけで、上面のカウンターに1cm単位で長さが表示される。
これまで、布などシート状の物体の長さを竹尺で測る場合には、竹尺の位置をずらしながら測定を繰り返し、数を足していく必要があった。さらに、布をつまむたびに誤差が生まれ、時には回数をカウントし忘れるなどの問題も発生。一方、本製品を使用すれば、ローラーが対象物を正確にキャッチ。手間なく正確な測定が可能となり、誤差率は0.24%だという。
対象物を引っぱりすぎて、必要長をオーバーしてしまった場合も、対象物を引き戻して必要分の長さを測ることが可能。最長1kmまで測定可能することができる。
ウレタンゴム製ローラーが高精度を実現
販売元の東京ニホス株式会社は、10年以上前から「長い布などを一人で簡単・正確に測定できる技術」の追求を続け、同製品を完成させた。
要となる幅26mmの上下のローラーには、硬度70度の透明ウレタンゴムが使われており、スリップしにくく色移りの心配もない。手元のボタンを押すと、下のローラーが下がり、厚さ0.01mm~10mmのシート状対象物を挟める。スプリング等で挟むと精度にばらつきが生じやすいが、本製品は上下のローラーが一定の力で測定対象に密着し、ストッパーをかけながら高精度を維持できる仕組みで、2019年には特許も取得している。
また本製品を万力(バイス)で挟んで固定すれば、対象物を両手で引っ張りながらの測定も可能になり、大量の枚数を測定する場合などに効果的だ。
組み込み用途の開拓とOEM供給の拡大へ
同製品は、すでに50社への販売実績を有し、ホームセンターや手芸店での布やビニールシートの測り売りや、建築・リフォーム現場での床材や壁紙の計測をはじめ、リボン・テープ類の計測や残量検査、紙および段ボールの計測など、幅広いシーンで活用されている。
現場からは「何枚もの紙や布を計測する場合、並行に引き出して後は数字を見ているだけでいいので手間がかからない」「立ったりしゃがんだりして巻尺で計るより楽」などの声が寄せられている。幅35mm、厚さ0.03mmの映写機フィルムをキズやシワを付けずに測定することもできるという。
同社では「ハンディーメジャー」シリーズとして、本製品のほか、常に台に取り付けて使用するテーブルタイプ、本体のローラー単独で使用するフリータイプ、ケーブル類の計測に適したコードタイプと、全4種類をラインナップしており、繊維製品や紙加工品、コード、エアーホース、ロープ、ワイヤー、ゴム、皮革など、幅広い製造業界で導入が進んでいる。今後も現場の声に耳を傾けながら、特に組み込み用途の開拓とOEM供給の拡大を目指していく方針だ。
取材日:2020年1月28日
企業データ
- 企業名
- 東京ニホス株式会社
1996年設立。本社は東京都奥多摩町。各種ハンディーメジャー、歩行用距離測量器(ローリングメジャー)、各種取り付け型長さ計測器、学校用体力測定機器(長座体前屈計)など各種計測機器の製造・販売を展開し、相手先ブランドによる国内向けOEM供給にも対応。自社ブランドでの海外輸出先は31カ国に及ぶ。