BreakThrough 企業インタビュー
要望に応じた仕様にできる『AF・ミクロン深さ高さ測定機』 コア技術を持つからこそできるウリ【日商精密光学株式会社】
2018年 5月 2日
summary
誰がやっても同じ結果を得る
進化を仕事の延長線上と考える
コア技術を売ることがより重要
誰もが気付きつつも改善してこなかった問題の解消
モノづくりにおいて正確さが重要であることは言うまでもないが、製品の小型化は、その正確さの重要度の比重が大きい。日商精密光学株式会社が開発した『AF・ミクロン深さ高さ測定機』は、とりわけ正確さが命と呼べるモノづくり業界の手助けとなる製品だ。
小さな製品の高さや深さを測定する現場において、長きに渡って手動での測定が主流となっていた。手動測定のデメリットとして測定する人によって若干の誤差が生じる場合や、測定箇所が多いケースでは多大な時間を必要とすることも少なくない。
同製品ではスリット光とレーザースポット光を照射する光切断法を用いて0.1μm(0.0001mm)レベルで測定対象の高さを計測することが可能だ。特に金型業界や製品検査を専門に行う企業において、オートフォーカス機能によるピント合わせの自動化で、検査・測定時間の大幅な短縮、誰が測定しても同じ結果を得られるなど、多くのデメリットが解消される。
「こうなれば便利」を求め続けた結果
光学顕微鏡、測定機を得意とする同社だが、他社との大きな違いは、機器開発においてそのほとんどを自社で完結させることができるという点だ。通常、レンズなどは他社製品を組み込むことがほとんどだが、同社ではそれらもすべて自前で製作する。だからこそ“こうなればより便利になる”をすぐに形にすることができる。
「着想から試作機をいくつも作りました。その繰り返しという意味では苦労したかもしれませんが、ハードルだと感じたことはありません」
代表取締役社長である江森 忠氏は自前で製作できる環境があったからこそ、仕事の延長線上で『AF・ミクロン深さ高さ測定器』を完成させることができたという。同製品を必要とする企業が抱える細かなニーズも「仕様だから」ではなく、ニーズに沿って容易にカスタマイズを行うことができる。
自社都合を押し付けない。
同社では新製品が完成したからといって、すぐに顧客に切り替えを促すようなことはしない。同社としてはすぐに切り替えて頂き、お披露目することがPRにつながるのだが、そうではなく必要となったときに提供するというスタンスをとっている。
なぜなら同社のウリは製品ももちろんだが、先述した通り顧客のニーズに沿った特注品を自社内で作ることのできるコア技術こそ真のウリだからだ。
「展示会に出展し、ニーズを探りながら気長に待つほうが良さそうです」
江森氏がこう語るのは他社には真似できない技術を持っているからこそだろう。
同社の製品は金属加工品など金型業界への商品供給が現在の主流となっているが、よりコンパクト化させることができれば、スマートフォンカメラとの連携などで用途の幅がさらに広がる可能性を秘めている。
企業データ
- 企業名
- 日商精密光学株式会社
弊社は長年培われた光学技術を背景に、弊社は創業当初より自社ブランド製品の光学機器を製造販売しております。レンズの設計から研磨、金属部品の加工まで、光学機器製作に必要な技術及び生産設備を保有しており、設計から製造まで全て自社で一貫した製品つくりを行っております。