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大武・ルート工業

自動ネジ供給機とトレッドミル、ともに世界へ

大武・ルート工業の自動ネジ供給機は、自動車や家電などさまざまなモノづくりの現場で活躍し、国内トップシェアを誇る。海外展開も積極的で中国、韓国、米国、マレーシアなど30カ国以上に輸出する。

同社の自動ネジ供給機は、ネジ供給箱のレールが水平振動することでネジを自動で整列して、1本ずつ取り出せる仕組み。ネジ詰まりもしにくい。レール部分は交換式で、ライン変更や複数サイズのネジに1台で対応できるため自由度も高い。対応するネジ径は直径1ミリ—同12ミリメートル。装置は多品種小ロット生産で顧客のニーズにきめ細かく対応する。

  • 国内トップシェア。海外でも活躍する自動ネジ供給機
  • 低床型トレッドミルで海外市場を目指す
  • ブランド統一「OHTAKE」で展開

トレッドミルを次なる柱に

国内トップシェアの自動ネジ供給機とともに、今後は海外でトレッドミルの販路開拓に力を入れる。

屋内でのジョギングやウオーキング、リハビリで使う健康器具で、ルームランナーとも呼ばれるこの装置。同社のものは、走行板に天然の木材を使うのが特徴。樹脂製の板などを使ったものと比べて耐久性が高く、「20年使ったものでも走行ベルトを交換すれば使える」(太田貴子常務)。

同社におけるトレッドミルの歴史は自動ネジ供給機より古く、医療用、アスリート用など多様な製品を手がける。

トレッドミルを海外へ

2014年には新たな一歩を踏み出した。 「『世界一薄いトレッドミル』のブランディングと海外展開」で、中小企業庁の「JAPANブランド育成支援事業」に採択され、走行面の高さが3.5センチメートルの低床型トレッドミルを開発。17年3月に量産モデルを「トレッドマスター」として発売する予定だ。

乗り降りのしやすさを売りに、車いす利用者など新たな需要を深耕する。イタリア、米国など海外メーカーの背中は遠いが、海外展開の足がかりにする。現在、同社の売上高の構成は自動ネジ供給機が8割、トレッドミルは2割程度だが、トレッドミルに対する太田義武社長の思い入れは強い。14年に自動ネジ供給機とトレッドミルに共通のロゴマークを導入し、「OHTAKE」ブランドに統一した。「3年後には売上比率を自動ネジ供給機と半々に、ゆくゆくは逆転させるのが目標」(太田社長)と話す。

健康志向の高まりや高齢化社会の進展に伴って、「OHTAKE」のロゴが入ったトレッドミルをリハビリや介護、健康づくりのシーンで目にする機会も増えそうだ。

40年の経験と高い技術力を持つ「トレッドミル」

One Point

先見の明

同社のトレッドミルの歴史は、太田社長が犬用のトレッドミルに関心を持ったことに端を発する。「約40年前の発売当初はあまり売れなかった」そうだが、現在、ペット向けトレッドミルは一般的になっている。太田社長の先見の明を表すエピソードだ。大企業のリハビリシステムにも導入され、今後一層の成長が期待される。

企業データ

太田義武代表取締役
企業名
株式会社大武・ルート工業
Webサイト
法人番号
9400501000078
代表者
太田義武代表取締役
所在地
岩手県一関市萩荘字金ヶ崎27
事業内容
産業用機械、医療機器製造・販売