こうしたことから、栗原社長は現在、主宰する「MAKERS LINK」の仲間を「ターミナルQ」のユーザーに引き入れることに注力。「ものづくりコミュニティとターミナルQを組み合わせた受注共同体みたいなものができつつある」と語る。
栗原精機は従来から、各種展示会に出展したり、ホームページを充実させたり、中小企業基盤整備機構が運営するマッチングサイト「ジェグテック」に登録したりと、それなりにマーケティングに努めてきた。このため、仕事依頼の問い合わせは多い方だという。しかし、「お引き受けします」と答えられるのは10件のうち1件にも満たないという。他の多くの中小製造業がそうであるように、得意とする加工技術の適用範囲がごく限定的だからだ。それゆえに、栗原社長は、中小製造業同士の横の連携がスムーズにできるようになれば、仕事を受ける範囲を拡大できると期待する。
「ターミナルQ」のもう一つの機能である自動見積り作成支援についても高評価。現在は、従来からの手書きによる見積書作成作業と並行して利用している段階だが、「どこかの時点で、ターミナルQに移行するべく社内態勢を見直すことになる」としている。
というのも、同じ製品の見積書を作成するにも、「鉛筆を舐め舐め」(栗原社長)しながら、忙しい時には高めの金額、逆に仕事がなくて苦しいときには安めの金額を書くなどしていたからだ。つい安い金額で見積もったために、儲からない仕事がいつまでも続いたこともあった。材料を調達するにしても、今は作業者が自分の使いたいタイミングで、頼みやすい事業者に発注しており、後に事業者から伝票が送られてきて初めて経理担当者が仕入れ金額を知るという状況になっている。それが、ターミナルQの活用により、取引ごとのデータが蓄積されれば、材料調達の最も適正な価格や時期がわかるようになるとみている。