頑張れシニアベンチャー
「人と組織」に特化したコンサルティングで結果を出す「ハッピーライフ」
東証一部上場家電量販店の店長を経て、猛勉強の末、中小企業診断士の資格を取得。1社1社に思いを込めたコンサルティングで人々の幸せづくりに貢献する。
株式会社ハッピーライフ
代表取締役 小川雅之(おがわ・まさゆき)
1960年生まれ。福岡県出身。東洋大学経営学部卒業。九州地場の東証一部上場家電量販店に就職し、早くして店長に抜擢され不振店の業績をV字回復。経営に興味を持ち、中小企業診断士の資格取得後、中堅のコンサルティング会社に転職。福岡支社長、中国・九州ブロック長を経て独立。
コンサルタントとしての信念は「結果を出す」こと。
——御社の業務内容を教えてください。
主に中小企業を対象に、経営診断、経営指導などのコンサルティング業務、また後継者育成および事業継承支援などを行なっています。特に人材教育・組織活性化・業務改善のエキスパートとして、経営者や経営幹部、社員の研修業務に力を入れ、1泊2日の「経営者塾」や2泊3日の「人財育成塾」など、合宿研修を開催しています。
——コンサルティングで大切にされていることは何ですか?
私は、経営コンサルタントの仕事は「結果を出す」ことがすべてだと思っています。いくら経営の分析を行ない、問題点を洗い出して報告書を作成し、立派な改善指示書やマニュアルを提案しても、結果が出なければ意味がありません。
結果に責任を持つために、当社では通常の顧問契約とは別に、成果報酬型のコンサルティングも行なっています。「結果」とは端的に言えば「利益」ですから、ご契約時に、双方で協議の上、決算時の目標利益と成果報酬率を設定し、実際の利益が目標利益を上回った場合に、超過額に成果報酬率を掛けた金額を報酬としていただきます。
ただ、私は企業にとって大切なのは目先の利益ではなく、永続的な発展ができる土台作りだと考えています。ですから、そういう価値観をベースにしたお互いの信頼関係が前提となりますし、成果報酬型のコンサルは年間3社程度に限らせていただいております。
「人と組織」に特化したコンサルティングが強み
——結果を出せる御社の強みはどんなところですか?
最大の特長が「人と組織」に特化したコンサルティングです。私の経験から言うと、中小企業の経営者の方が抱えている問題の原因は、8割が「人と組織」にあります。ところが、店舗や設備には投資しても、目に見えない人や組織に積極的に投資する経営者は少ないのが現状です。私は中小企業こそ「人財」が宝だと考え、徹底して人と組織を強くするノウハウをご提供します。その内容は、それぞれの企業の問題点や目的に合わせて100社あれば100通りです。
——新規の顧客開拓などはどうされているのですか?
2カ月に1回程度、経営者や経営幹部、事業の後継者などを対象にセミナーを開催しています。セミナーを収益源ではなく出会いの場と考え、そこで価値観や考えを共有できる経営者の方とお会いすることができたら、自然とコンサルティングや教育研修などの受注へ、という流れになります。また、1社様1回限定ですが、無料電話相談や無料訪問コンサルティングも行なっていますし、それをきっかけに、私の考えを理解し、共感してくださる企業と契約をさせていただいています。
家電量販店の店長から経営コンサルタントへ。
——東証一部上場の家電量販店の店長という経歴をお持ちだと伺いました。
大学卒業後、家電量販店に就職し、営業実績が認められて入社6年目くらいで早くも店長に抜擢されました。その後、店長を歴任し、売り上げ不振店の業績を回復させたのですが、その時、経営やマネジメントの面白さに開眼しました。不振店には、立地や競合店の存在など、常にそれなりの理由があるわけですが、それを言い訳にしていることが多い。最も重要なのは外部の要因ではなく、内部の要因、つまり「人」です。働く人のモチベーションを上げ、やる気を出させることができれば業績はおのずとついてきます。
——店長の経験がきっかけで経営コンサルタントの道へ?
本格的に経営マネジメントを学び、中小企業診断士の資格を取得しようと考え、土日が休みの包装資材メーカーへ転職して学校に通いながら2年間ほど猛勉強しました。講師に年間何時間くらい勉強したらいいかと聞いたら700時間くらいかな、という答えだったので、それなら自分は1000時間やろうと思い、会社が休みの日は1日10時間以上も費やして結局1200時間くらい勉強しました。そして資格取得後、全国展開している中堅のコンサルティング会社に就職しました。
——現在のお仕事のベースをそこで培われたわけですね。
その会社では、在職9年間で4000人以上の経営者や社員の教育研修に従事しました。コンサルティング実績も、建設業、製造業、小売業などさまざまな業種にわたり50社以上にのぼります。教育研修も座学ではなく合宿研修を行なっていたので、経営者の方々と人間的に深く関わることができました。人との交流の中で非常に多くのことを学び、私なりに経営や人生の法則が見えてきたことから、その経験を生かし、現在の業務内容や研修カリキュラムを構築しています。
50歳からの人生をかけて、人々の幸せづくりに貢献したい
——あえて独立開業した理由は?
47歳の時に病気をして入退院を繰り返し、同じ頃、両親を亡くしました。それが人生を見つめ直すきっかけになり、50歳からの残りの人生をどう意義あるものにできるか考え、出した結論が、組織の中ではなく、自己責任で自分の全人生をかけて本当に人のお役に立てることをする、ということだったのです。
組織には組織の理論があり、やはり限界がありましたから。私は、どんな企業でも、何のために存在するかといえば、最終的には利益ではなく「関わるすべての人が幸せになること」だと思っています。社名に込めたのも、幸せな人生づくりに貢献するという決意と思いです。
——起業を目指す方へのアドバイスや今後の抱負をお願いします。
起業に必要なのは、信念と覚悟、そして徹底と継続だと思います。経営は山あり谷ありです。覚悟を持って継続し続けて行くという強い信念がなければだめだと思います。私自身はこれからも今と同じように、コンサルタントとして「あなたに会えてよかった」と言っていただけるよう、1社1社、一人ひとりに思いを込め、人生に生きがいややりがいを感じながら輝いて生きる人が一人でも増えるお手伝いをしていきたいと思っています。
掲載日:2012年11月27日