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欠けや歪みといった手割りの課題を解消するV溝プリント基板分割機【株式会社テクニカルサポート】
2020年 2月 18日
製品名=楽々V溝プリント基板分割機「Vcutシリーズ」
きれいな切断面を安心・簡単・低価格で実現
プリント基板は、あらゆる電子機器に使用されるだけに、大きさや形状のニーズは無数にあると言っていい。その用途にあわせて使い分けができるよう、基板には通常「V溝」などの加工が施され分割しやすくなっているが、それでも手で割ると欠けたり、切断面が歪んだりという問題が少なからず生じている。
株式会社テクニカルサポートの「楽々V溝プリント基板分割機『Vcutシリーズ』」は、上記のような手割りの課題を解消した上、分割による粉塵の発生も抑制。また、初心者でも簡単・安全に切断できるほか、持ち運び可能な軽量・小型設計であるため、複数の現場での使い回しもできる。しかも、従来の分割機の約10分の1というコスト面も大きな魅力だ。
上下の刃物が基板にかかるストレスを低減
粉塵が少なくきれいな切断面を実現しているのは、同製品の上下に設けられた刃物。この刃物が両側からV溝を挟み込むようにしてカットする構造であるため、基板に余計なストレスがかからない。しかも、手動・電動タイプのほか、テーブル付きなど、切り分けるプリント基板の種類や顧客のニーズに応じてさまざまな機種を用意。その全てに刃先ガードを標準装備しており、安全対策も万全だ。
本格的なルーター式やプレス式の分割機では初期投資が大きすぎて導入が困難という企業からの引き合いが多数。これまでに電子機器メーカーやプリント基板メーカーなどに約350台を販売している。
大量生産製造装置への組み込みを見据える
同社がこれから見据えるのは、同製品を機械装置に組み込みたいと考える企業との共創による新価値の創造だ。これまでは試作基板など多品種少量用の加工に用いられることが多かった同製品を、大量生産品製造機の中に組み込み、生産性の向上につなげたい考え。実現すれば、あらゆる電子機器に欠かせないプリント基板が商材であるだけに、その可能性は分野の垣根を越えてどこまでも広がる。
電子機器に関連している企業であれば、同製品と、その可能性を追求する同社の今後に注目しておくことが無駄になることはないだろう。
取材日:2019年10月31日
企業データ
- 企業名
- 株式会社テクニカルサポート
1979年創業。メカトロニクスを中心とした幅広い分野で、機械・電気・電子の設計から部品加工、組付け、電装までを自社で一貫して行う総合メーカー。各種検査・省力化装置やデータ解析システム、医療関連機器などを手掛けるほか、自社製品の開発・販売も行う。現在は、次世代自動車の展開を見据え、モーター性能評価システム「モーターベンチ」の開発に注力しながら、2020年6月のJISQ9100認証取得に向けた準備を進め、宇宙産業への進出も目指す。