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シーンに合わせた照明を実現しながら、ウイルスや花粉を吸着・分解【島田工業株式会社】
2020年 12月 3日
製品名=「LEDライト付天井設置型空気清浄機『L&Air(エルアンドエアー)』」
花粉、ウイルス、細菌、PM2.5から、不快なにおいや煙にまで対応
業界を問わず、あらゆる事業者において、感染症対策へのニーズがかつてないほど高まっている。その対策手段の一つとして注目を集めているのが、医療向け空調機器などを受託生産する島田工業株式会社が開発した「LEDライト付天井設置型空気清浄機『L&Air(エルアンドエアー)』」だ。
同製品は、ほこりなどをキャッチする「プレフィルター」、花粉・ウイルス・細菌・PM2.5などを吸着・分解する独自の「アースプラスHEPAフィルター」、脱臭作用を持つ「高機能活性炭フィルター」という三層構造フィルターで空気中の浮遊物を除去していく。
照明機器としては、色合いは10段階、明るさは20段階の調節が可能で、シーンに応じた空間演出を行いながら、抗菌・抗ウイルスフィルターによる空気清浄・消臭を実現。通常モードに加え、室内の空気を短時間でリセットしたい時に使えるターボ機能も搭載している。
天井設置型として、効率的な集塵や、省スペースを実現
同製品でウイルス対策の要となっている「アースプラスHEPAフィルター」は、0.3μm(1μm=0.001mm)以上の粒子を99.97%以上捕集するHEPAフィルターに、ドイツの研究機関で優れた抗菌性を認められた特許取得のセラミックス複合機能材料・アースプラス(株式会社信州セラミックス開発)を塗布した独自フィルターだ。
また、「照明+空気清浄機機能」という製品のアイデアも特許を取得している。これには多くの利点があり、第一に照明と組み合わせて天井から空気清浄を行うことで、空気中の細かな塵やエアロゾルを一般的な床置き型の空気清浄機より効率よく集積することができる。第二に天井に設置することで床の埃やゴミを吸い込まないため、フィルターの寿命も床に置いた場合と比較して長くなる。当然、床置きのスペースも不要で、広さに制約がある空間に設置しても通行の妨げになることもない。
医療機関から店舗、事業所にまで導入
「ながら」で本格的な空間洗浄が期待できる本製品は、2020年1月の販売開始以来、会社事務所、金融機関の事務所や店舗、自動車販売店、飲食店、学習塾、保育園といった人の集まる場所、さらに一般住宅などさまざまな場所に導入されてきた。なかでも病院、薬局など不調を抱える人が入れ替わり訪れる医療関係施設での採用例が多い。採用先では、花粉症の症状が改善したという声があるほか、同製品の設置をPRすることが店舗などの顧客の安心材料にもなっているという。
PM2.5による大気汚染問題を契機に、長年培った空調機器の精密板金・配線組立の技術・開発設計のノウハウを活かし、感染症対策ニーズの高まりに先んじる形で本製品を完成させた同社。今後も顧客の声を取り入れながら、製品のさらなる強化とラインナップ増強に努めていく考えだ。
取材日:2020年10月14日
企業データ
- 企業名
- 島田工業株式会社
空調機器関連製品の設計・部品加工・製品組立、精密プレス板金部品の設計・製造、自社開発製品の開発・製造などを手がけるメーカー。1973年創業。空調機器事業では試験設備や修理対応用設備なども自社工場に備え、精密板金加工事業においてもファイバーレーザー複合加工機などの新機器をいち早く導入している。