飲食業の魅力と大変さ

飲食業の概要

飲食業には喫茶店やラーメン店、そば・うどん店、日本料理店、中華料理店や西洋料理店など、さまざまな業種があります。
また、顧客の注文に応じて、飲食料品を持ち帰る状態で提供する持ち帰り・配達飲食サービス業もあります。

ここでは、ダイレクトに顧客と関わることのできる飲食業の魅力や、競合のひしめく中で生き残るためのポイントについて概観します。

飲食業の魅力

1. ダイレクトに喜んでもらえる

飲食業で起業する魅力は、自分が提供した食事を通じて、顧客にダイレクトに喜んでもらえることでしょう。内外装やメニュー構成、接客にこだわることで「食事」を演出し、顧客から「美味しかった」「ありがとう」と感謝してもらえることの充実感と達成感は、他では得がたいものです。

飲食店を立ち上げた起業家の先輩からも「お客さんの'ありがとう'で、すべてが報われる」「たくさんの人と直に触れ合えることが楽しい」「毎日が喜怒哀楽のお祭り、やめられない」という声が聞かれます。

2. 売上の管理がしやすい

経営的な視点でみても、飲食業は売上のほとんどが現金回収であり、仕入れも後払いが多いため、他業種と比べて資金繰りがやりやすいのは大きな魅力です。つまり、経営上重要な、入ってくるお金と出ていくお金の管理がしやすくなります。

また、個人店であっても、味や独自性が顧客の支持を得られれば、大手飲食チェーン店とも対等に勝負することができます。顧客からのダイレクトなフィードバックを日々の経営に生かすことで、売上や来店客数という目に見える成果に繋がりやすく、改善活動にも張り合いがでる業種と言えます。

飲食業の大変さ

1. 競合が多い

飲食業の大変さは「競合が多いこと」です。当然ながら生存競争も激しく、官公庁出典の調査においても開業率・廃業率ともに高い傾向が示されています。

2. 複数のスキルが必要

また、ビジネスとしても店舗管理、接客対応、新規メニュー開発など、さまざまなスキルが要求されるむずかしい事業です。たとえ飲食業の経験があっても簡単に成功することはできません。

飲食店として生き残るための、もっとも重要なポイントは「他店では得られない何か」を顧客に提供し続けることです。
それが味でも、看板メニューでも、店作りの独自性であっても、「他店では得られない何か」を明確に打ち出し、顧客の支持を得ることができれば、大手飲食チェーン店にも顧客をうばわれることなく、独自の店舗展開をすることができます。

ある飲食店経営者は、「他店では得られない何か」を顧客に提供し続けるために、毎週のように同業種・他業種の繁盛店を訪れて研究し、良いと感じた点を積極的に自店に取り入れることで、オリジナリティあふれる店作りやメニュー構成を実現しています。
自らが体験して「面白い」「楽しい」「気が利いている」「また来店したい」と感じた点をカスタマイズして取り入れ、自店の独自性を強化しているのです。

飲食業で起業し、成功を志すのであれば、顧客にとっての「他店では得られない何か」を突き詰めて考え、他店では得られない魅力として磨き上げていくことが大切なのです。