起業マニュアル
事業計画書の作成手順
計画書の作成は、ここからはじめないといけないという決まりはありません。しかし、いきなり書き始めるのではなく、先ずアイデアを考え、それを事業コンセプトにまとめ、それから計画書を作成していくとスムーズです。
ここでは、計画書に記載する項目をみながら、作成手順や作成留意点を確認してください。
計画書の作成手順
1. 計画書に記載する項目
計画書には、経営者の経歴、事業の目標、事業内容、実行計画など、事業の全容がわかるような項目を記載します。
計画書の雛形は、いろいろありますが、一例として項目を列挙しますと以下のようになります。
書き始めの順番はありませんが、「事業コンセプト」をある程度、固めてから、計画書に着手するケースが多いと思いますので、「事業コンセプト」やその裏づけとなる「現状分析」の項目から、書き始めてみるのもよいでしょう。すべてを考えてから事業計画書を書き始めるのではなく、書きながら考えるといったかたちで、取り組まれることをお勧めします。
また、一度書いたら終わりではなく、専門家や起業家の先輩などに見てもらい、ブラッシュアップされると完成度が高まります。
2. 計画書の作成留意点
(1)一貫性、整合性を維持する
計画書は、いくつかの項目で構成されていますが、各項目の記載内容の一貫性に留意しましょう。例えば、現状分析で高齢化の進展をビジネスチャンスとしながら、販売するものが、若者を対象とした商品・サービスであったりするとつじつまのあわない話になってしまいます。
また、言葉で示した箇所とそれを数字で示している箇所にズレがないようにしましょう。例えば「毎年、チラシやパンフレットの作成を増やし告知を強化していく」と書いてあるのに数値計画の広告宣伝費が毎年一定の金額で予算が組まれているといったことにならないようにすることです。
良いアイデアであっても、計画書の些細なところで違和感が生じると納得を得づらいものになってしまいます。
(2)具体的に書く(6W2Hの視点を意識する)
記載内容が短すぎたり、抽象的な表現が多かったりすると、協力者など第三者が計画書を読んだときに「どのような事業なのかが、きちんと伝わらない」とったことになりかねません。
このような計画書にならないようにするには、6W2HのWhen(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)、Whom(誰に)、Why(なぜ)、What(何を)、How(どのように)、How much(いくら)を意識して書くことが大切です。そうすることで、取り組みの内容が正確に伝えることができます。
(3)わかりやすく書く
計画書を作成するときは、事業についての事前知識がない人が読んでもわかるように書くことが大切です。専門用語やカタカナ用語ばかり列挙した計画書は理解しづらいものになってしまいます。なるべく平易なことばで表現し、専門用語を記載するときは括弧書きや注釈をつけて、説明を加えるとよいでしょう。
また、よりわかりやすくするために、図表や画像を加えるなどの工夫も有効です。文字だらけの計画書は、読み手が疲れてしまい、内容が十分伝わらない可能性があります。
計画書は関係者に賛同されてこそ意義のあるものになります。「わかりやすく」といったことを常に心掛けて書きましょう。