起業マニュアル
ネット広告の基本
「効果が出るかどうかもわからないものに、高い費用はかけられない」と広告の掲載に抵抗がある人もいます。そんな時は、費用対効果を測定できるインターネット広告を検討すると良いでしょう。小額でも始められるので、経営資源が少ない創業者にもおすすめの方法です。ここではインターネット広告の概要と効果的な使い方について紹介します。
他の広告媒体との大きな違い
1.効果に応じた広告費用
インターネット広告が他の媒体と一番違う点は、効果測定ができるという点です。自分が掲載した広告が何人の人たちに見られたのか、何人の人たちにクリックされたのかということが測定できます。そのため、インターネット広告のほとんどが成果報酬型という金額設定をしています。例えば1クリック10円というようなクリック数に応じた設定で申し込めば、一ヶ月間掲載をして1,000クリックであれば、掲載費用は10,000円となります。0クリックであれば、もちろん0円となります。
他の媒体では、一ヶ月間の掲載でいくら、この番組でいくらというような固定での金額設定が基本のため、100万人見ようが0人見ようが金額は変わりません。インターネット広告は、クリック数や見た人数などの効果に連動した金額設定のため、請求金額分の効果は確実にあるので、広告を掲載した方も納得性が高くなります。
2.掲載価格は入札で決まる
1クリックの単価のような、成果報酬型の単価はどのように決まるのでしょうか?インターネット広告の多くは、広告を掲載したい広告主同士の入札で単価を決めています。他の広告主よりも高い金額で入札すれば、他よりも優先的な場所で広告が掲載されます。そのため、人気の高い広告は入札数も多くなり自然と高値が付くことになっています。
インターネット広告の種類
インターネット広告には多くの広告媒体がありますが、ここでは主要なディスプレイ広告、検索連動型広告、SNS広告について紹介します。
1.ディスプレイ(バナー)広告
ポータルサイトなどの閲覧者が多いホームページのスペースに、画像や動画で掲載をするのがディスプレイ広告です。
一つ一つのサイトに掲載の依頼をすることなく、配信したいターゲットに合ったホームページに自動で掲載ができるネットワーク型のディスプレイ広告が現在では主流となっています。
具体的には、Yahoo!社が提供するYahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)とGoogle社が提供するGoogleディスプレイネットワーク(GDN)の2種類です。両方に大きな違いはありません。どちらかで悩んだ場合は、小額から始められるメリットを生かして両方でテストをしてみてくだい。効果だけでなく、システムの使いやすさも大事ですので、使った上で選びましょう。
2.検索連動型(リスティング)広告
検索エンジンの検索結果に表示される広告です。通常、検索エンジンの結果の上下の位置は、検索エンジンの独自の評価基準によって決まります。この評価基準を元に、検索結果の上位に表示するようにホームページを改良することをSEO対策といいます。SEO対策は非常に効果が高いのですが、難易度も高く順位が上がるまでには時間もかかります。この検索連動型広告は、入札金額が高いと上位に表示されるため、すぐに結果を出したい場合には適しています。
このサービスもGoogleとYahoo!のものがあり、前者はYahoo!プロモーション広告、後者はGoogleAdWordsです。こちらも機能的には大きな違いはありませんが、掲載場所がGoogleの検索結果かYahoo!の検索結果かという違いがあります。顧客ターゲットはGoogleとYahoo!どちらの検索エンジンを良く使うのかを考えて選びましょう。
3.SNS広告
SNSの投稿の合間など、SNSの画面内に掲載される広告です。この広告の特徴は、SNS登録時にプロフィールを入力しているため、その情報をもとに、自分のターゲットに合う人たちへ配信できることです。
Facebook広告とTwitter広告が有名です。顧客ターゲットが良く使うSNSは何か?を考えて選択しましょう。
運用をしないと効果が出ない
テレビや新聞、雑誌などの他の広告媒体は、掲載するまでが重要で掲載した後は特にやることはありません。一方で、インターネット広告は掲載した後が重要です。インターネット広告のほとんどは、掲載の後も掲載内容や掲載の条件、入札金額を常に変えることができます。掲載した後に何もしないと、「掲載条件が合わないために、ほとんど広告が表示されなかったり」、「掲載され過ぎてしまって、数時間で予算のほとんどを使ってしまったり」ということも珍しくありません。掲載した後も、常にクリック数を中心に確認をしながら運用してください。