業種別開業ガイド
コンタクトレンズ販売店
- 厚生労働省「薬事工業生産動態統計調査月報統計表」によれば、コンタクトレンズの国内出荷額は月間130億円前後の規模で推移してきている(図1)。
同市場規模において季節変動・その他の変動を除去したトレンドは、月間120~140億円の間で推移してきているといえる(図2)。
- WizBiz株式会社のアンケート(2011年調査)によれば、コンタクトレンズ販売店の利用率(「よく利用している」または「たまに利用している」と回答した人の割合)は20~60代の男女平均で16%(男性平均:13%、女性平均:20%)となっている。利用率の年代別分布は男女ともに30代をピークとして全ての年代に広がっている。
また、1回あたり利用金額に関しては、「2,000円~3,000円未満」がボリュームゾーンだと考えられる。
1.起業にあたって必要な手続き
2005年の薬事法改正により、高度管理医療機器であるコンタクトレンズを販売するためには、薬事法上の高度管理医療機器等販売業許可を得ることが必要となった。許可を得るためには、各店舗に管理者を配置する必要があり、店舗の実地調査も行われる。
管理者の資格は、1年以上の実務経験を有する者が講習会を受講することで取得することができる。また、医師や薬剤師、大学や高校で工業・物理・化学などを専攻した者も管理者として登録できる。詳しくは、各都道府県の担当窓口(東京都の場合は薬事指導係)に問い合わせをすること。
このほか、通常の開業手続きとして、個人であれば所轄税務署や税務事務所への開業手続き等が必要となる。法人であれば必要に応じて、健康保険・厚生年金保険関連は社会保険事務所、雇用保険関連は公共職業安定所、労災保険関連は労働基準監督署、税金に関するものは所轄税務署や税務事務所にて手続きを行う。
2.起業にあたっての留意点・準備
薬事法上、「コンタクトレンズの販売に際し処方箋を提示する」という決まりは無いが、健康被害が起きる危険性を鑑み、日本コンタクトレンズ協会や社団法人日本眼科医会がガイドラインを出しているので、当ガイドラインに則って事業を行うことが望ましい。
コンタクトレンズは商品による差別化を図ることが難しい。このため、割引券の配布や交換返品保証など、販売促進施策の面で差別化を図ることが重要である。ネット通販で、激安などを謳ったショップも見受けられる。
商品はメーカーから直接仕入れるケースが多い。コンタクトレンズの国内出荷額の季節変動を見ると、12月に山があり1月に谷がある(図3)。ピーク月(12月)とボトム月(1月)の間では、季節指数に約1.7~1.8倍程度の乖離が見られる。季節変動は大きいと考えられるので、月次で売上計画を立てる際は、留意しておく必要がある。
3.必要資金例
店舗面積10坪のコンタクトレンズ販売店を開業する際の必要資金例
4.ビジネスプラン策定例
1)売上計画例
2)損益計算のシミュレーション
- ※人件費は、社員1名を想定
- ※初期投資一括計上分は、開業費の金額
- ※減価償却費は、設備工事費・什器備品費等の額を5年で償却したもの
- ※必要資金、売上計画、シミュレーションの数値などにつきましては出店状況によって異なります。
また、売上や利益を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。
最終内容確認日2014年2月