起業マニュアル
仕入先の探し方
仕入先とは紹介、インターネット検索、見本市・展示会に訪問して出会います。
出会った企業の商品力、販売・納品状況、経営姿勢を見て優良仕入先を選びましょう。新規取引にはコストやリスクも発生しますが、お客様に喜ばれる品揃えのため、妥協せずによい仕入先を探しましょう。
仕入先の探し方
信頼できる人から紹介してもらうのが一番ですが、自分で探す場合には以下の方法があります。
- ネットで「調達したいもの」+「商社」「問屋」「卸」と入力して検索
- 業界の見本市・展示会に行く
- 地域の商工会・商工会議所に問い合わせる
優良仕入先を見極めるポイント
仕入先候補と出会ったら、その企業の商品力、販売・納品状況、経営姿勢を見て仕入れるか決めましょう。
商品力
1.商品の質
仕入条件がどんなによくても、仕入れる商品自体がよくなければ、それを扱う自社の信用が低下し、客離れにつながってしまいます。
2.商品の感覚的側面の優秀性
商品のスタイルやデザインからパッケージのデザインまで、自社の対象とする顧客のニーズにあった商品でなければなりません。
3.価格とのバランス
単に安ければよいというものではなく、品質や機能、デザイン性といった商品の提供する効用と価格のバランスがとれていることが重要です。
4.ブランドの知名度・信頼性
ブランドは無形価値ですが、商品力や信頼性につながっています。ブランドの知名度・信頼度の高い商品を多くもつ企業ほど優秀な仕入先といえるでしょう。
5.取扱商品の豊富さ
取扱商品が豊富であれば、仕入れる側の選択の幅が広がり、仕入先として魅力があるといえます。
6.新商品開発の積極性
消費者の好みの移り変わりが激しい中で、つねに売れる商品を開発して提供してくれる仕入先は優秀な仕入先といえます。
7.安定した供給能力
いくらよい商品であっても、安定した供給ができなければよい仕入先とは言えません。つねに安定した供給体制が整っていることも優良仕入先としての条件です。仕入先がどこから商品を調達しているか、代替の調達先を持っているかを尋ねるとよいでしょう。
販売・納品状況
1.取引条件の公正性・客観性
仕切価格や割引条件、支払い条件、返品条件などの取引条件において、双方にとって公正かつ客観的であることが大切です。よく仕入れるつもりの商品について、1回あたりの発注量、発注方法、配達時間などを尋ねましょう。買い手にとってよい条件であることが重視されがちですが、取引を開始するために無理な条件を設定すれば、後でそのひずみが出てくることが懸念されます。
2.情報提供能力
商品が優れているだけでなく、その商品や関連事項および市場動向など、自社の情報収集力では収集しきれない分野についての情報を豊富にもち、それらを提供してくれる仕入先は優秀といえます。
3.納品の確実性・迅速性
注文した商品が正確に素早く納品されなければ、自社が販売機会を失うだけでなく、自社に対する顧客の信頼も失いかねません。したがって、納品が確実かつ迅速に行なえる商品供給体制をもっていることが条件になります。
納品は仕入先の自社便か運送会社を利用するか、交通手段はトラック、鉄道、船など何を使うか、納品時間や納品の頻度、注文から納品までのリードタイムを確認しましょう。
4.担当者とのコミュニケーションと魅力
取引は企業間で行なうことであっても、実際の仕事は人間同士のコミュニケーションで成り立っています。先方の担当者がつねに改善を志向し、協力的であれば、人として好感が持て、よい取引関係が築けるでしょう。
5.リテールサポート
品揃えや商品の陳列・演出・販売促進まで相談に乗ってくれる卸売業者も少なくありません。自店にとって有効な提案を行なってくれるかどうかは大きなポイントです。
経営姿勢
1.経営の安定性・成長性
安定した取引を続けるためには、経営が安定していることが重要です。そのためには、取引先の経営状況を把握しておく必要があります。上場企業であれば有価証券報告書などでチェックします。それ以外の場合は専門機関の信用調査を利用するとよいでしょう。
2.社会的な信用の高さ
この点については、数値的な情報はないため、業界他社の評価などが判断基準となります。すでに取引を行なっている企業や同業他社などの評判を聞いてみるのがよいでしょう。
3.経営者の経営理念
この点についても定量的な判断基準はありませんが、経営者との面談を行い、先方の経営理念、経営方針などについて確認してみます。それらが自社の方針とかけ離れている場合、長期的な取引のなかでは衝突する面が出てくる可能性もあります。