業種別開業ガイド
ビヤホール
- ビヤホールは、日本標準産業分類では、遊興飲食店に分類される。一般にビールを主飲料として主にビールの特定製品、たとえば黒ビール・地 ビールなどを飲む点を特徴とする店舗である。フランチャイズ系の居酒屋・レストランの増加におされて店数は減少している。周辺に企業や住宅があって商店街に近い立地であれば、家族でも居酒屋よりは入りやすいので、繁盛店につながる可能性もある。
- ビヤホールは、主飲料の生ビールが酒類を出すあらゆる店で出される状況となっているので、差別化できずに厳しい事態となっている。したがっ て、家族連れで入れる、静かで明るい雰囲気、さっぱりした美味しい料理、イベント(演奏・演芸・歌唱など)などで、酒場という感触がしない印象を与え、サラリーマンや女性向けにアピールする。評判を高められれば集客を増加させることができる。
1.起業にあたって必要な手続き
飲食店の開業にあたっては、営業許可を所轄保健所の食品衛生課に申請する。また、食品衛生法では、各店に1人、食品衛生責任者を置くことが義務づけられている。
食品衛生責任者となるには、調理師、栄養士、製菓衛生師等の資格が必要である。資格者がいない場合、保健所が実施する食品衛生責任者のための講習会を受講すれば、資格を取得できる。
一般の開業手続きとして、個人であれば税務署への開業手続き等、法人であれば、必要に応じて、健康保険・厚生年金関連は社会保険事務所、雇用保険関連は公共職業安定所、労災保険関連は労働基準監督署、税金に関するものは所轄税務署や税務事務所にて手続きをする。さらに、深夜午前0時を過ぎて営業する場合には、「深夜酒類提供飲食店営業」の許可申請が必要となる。これは都道府県の公安委員会へ「深夜における酒類提供飲食店営業開始届出書」を提出する。したがって、事前に深夜営業を行うか否かを検討し、決定しておく必要がある。基本的には深夜営業をせずに、昼食時のランチ食事・販売などに就業時間を振り向ける方向が望ましい。
2. 起業にあたっての留意点・準備
- 提供するビールの銘柄や、地ビールなどの種類を決め、味や風味の特徴を積極的にPRする。
- 昼間や夕方の早い時間帯の入店客を確保するため、子供連れの家族を惹きつける軽い料理や、ソフトドリンク(ジュースなど)を揃える。
- 一般企業の終業後の時間帯(18時から19時ごろ)対策、その後の20時から、21時からの2次会客をキャッチする料理などを揃える。
- サラリーマンや女性客で混雑する状況を想定し、グループ分け、パーテーション、少人数用スポットなどを揃える。
- 椅子席で打ち合わせをした上で、その後は軽いビヤパーティをというやや長く時間を取る客筋をおさえて客単価を高める。
- 店内照明は比較的明るめとし清潔感を強調する。内装材などを工夫し、会話の反響を防ぐなど、明るく会話が弾む雰囲気を作る。
- 個店のブランドを確立していくために、「経営者の思い」を明確にして、従業員と一体となった接客サービスでリピーターを獲得する。
3. 必要資金例
商店街中に店舗面積40坪、50席のビヤホールを開業する場合の必要資金例
(単位:千円)
4. ビジネスプラン策定例(モデル収支例)
●初年度売上計画例(客席数30席)
●モデル収支例
人件費:社員4名、給与30万円/月額、パート4名、時給(900円×9時間)/日
(単位:千円)
初期投資回収 4年度
- ※必要資金、売上計画、シミュレーションの数値などにつきましては出店状況によって異なります。 また、売上や利益を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。
最終内容確認日2014年2月