業種別開業ガイド
医院開業
- 本レポートは、個人で内科や耳鼻科などの医院(診療所)を開業される方を対象として、 医院開業にあたって必要な手続き(諸官庁への届出)について説明している。
1.医院開業にはさまざまな届出が必要
医院(病床が0床または19床以下の「診療所」、歯科医院を含む)の開業前に、「診療所開設届」の提出が必要となる。また、有床の場合は、「診療所開設届」に先だって「診療所使用許可申請書」を提出し、検査および許可証の交付を受けなければならない。
そのほか、診療科目や診療の内容によって、さまざまな届出が必要。届出窓口はそれぞれ異なり、都道府県によって手続きの内容などが異なる場合も。届出をする窓口に問い合わせ、必要な書類や記入方法、書類申請の締切日などをしっかり確認しておくこと。
2.諸官庁への各種届出
- ※診療科目や診療の内容によっては、上記以外にも必要な届出がある。
3.その他の手続きも忘れずに
1)税務署・税事務所に提出する書類
●個人事業の開廃業等届出書
開業したことを通知する書類。開業後1カ月以内に、所轄の税務署長あてに提出。
●個人事業税の事業開始等申告書
最初に青色申告しようと考えている年の3月15日までに提出。
●所得税の青色申告承認申請書
開業したことを通知する書類。開業後1カ月以内に、所轄の税務署長あてに提出。
●青色事業専従者給与に関する届出書
個人事業主が配偶者や親、子どもなど、青色事業専従者の給与額を必要経費に参入するために必要な手続き。届出書は、開業の日が1月15日以前なら3月15日までに、1月16日以降なら開業の日から2カ月以内に税務署に提出。
●給与支払事務所等の開設届出書
社員やパートを雇用し、給与を支払う場合は、診療施設を開設した日から1カ月以内に、所轄の税務署に提出。
●所得税の「棚卸資産の評価方法・減価償却資産の償却方法」の届出書
棚卸資産と減価償却資産は、最初の確定申告までに書類を提出。これらの計算方法は複雑なため、事前に税務署員や税理士などの専門家に相談しておくこと。
●源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書兼納期の特例適用者に係る納期限の特例に関する届出書
専従者や社員、パートなどには、あらかじめ所得税を引いた金額を給与として支払い(源泉徴収)、その源泉所得税を彼らに代わって事業主が税務署に支払う。1カ月ごとの支払いが基本だが、この届出書を提出すれば、年2回に分けて支払うことが可能。
2)社会保険に関する手続き
常時5人以上の従業員を使用する個人事業所は、健康保険および厚生年金保険への加入義務が発生する。適用対象となった日から5日以内に、管轄の社会保険事務所へ「健康保険・厚生年金保険新規適用届」を提出。
従業員(パートを含む)を一人でも雇っていれば、その事業主は労働保険(労働者災害補償保険(労災保険)と雇用保険)の総称)に加入しなければならない。
労働保険に加入するには、事業開始から10日以内に、労働保険の保険関係成立届を所轄の労働基準監督署または公共職業安定所に提出すること。また、雇用保険については、事業開始から10日以内に「適用事業所設置届」を公共職業安定所に提出する必要がある。さらに、従業員を雇用した翌月の10日までに「被保険者資格取得届」を提出する。
最終内容確認日2014年2月