起業マニュアル

開業資金の考え方(飲食業)

開業資金は起業の際に必要となる一時的な資金です。
どれくらいの資金で、どのような準備をするかは、飲食店の形を考える上で、重要なポイントとなります。

特徴のある店舗作りを考えると、開業資金に多額の内外装費が必要になる場合もあります。こだわりのメニューを提供するために厨房機器や最新設備が必要な場合は、設備費用も重要となるでしょう。

ここでは、開業資金の考え方について、具体的な検討方法を含めて解説します。

開業資金とは

開業資金は、大きく「設備資金」と「諸費用」とに分かれます。
「設備資金」とは、事業に必要な機械・備品の導入費用等。「諸費用」とは、開業までに準備する備品や事務用品の費用、開業に必要な事務手続きや登記関連費用、保証金などが該当します。

起業を検討する際は、事業内容を決めるとともに、これらの開業資金を同時に考えることになります。具体的な金額をどうするかも重要ですが、それは検討が進んだ後の話ですので、まずは「どのような費用項目を検討すべきなのか」を確認しましょう。

立地にこだわるのであればそれなりの店舗取得費、調理機材にこだわるのであれば相応の機械設備費が必要となります。事業のイメージにあわせて、無理の無い範囲で検討しなければなりません。

設備資金の項目を考える

事業の形や方法によって、必要となる設備は異なります。下記に具体的な項目を列挙しますので、参考にしてください。

まずはどのような項目に注意すべきなのかをしっかりと確認し、事業内容の検討と合わせて金額をイメージするようにしてください。例えば、提供する商品の特徴を出すために最新設備が不可欠であれば相応の資金が必要になります。
事業内容と設備資金項目の検討は、非常に強い関連があることを忘れないでください。

費用対効果を確認しよう

検討すべき項目が決まったら、事業の内容をイメージしながら、どの程度の投資内容(金額)とするかを決めていきます。

検討の際は、表の上から順番にといったものではなく、金額の大きいものや自身のこだわりのある部分など、代表的な項目から重点的に検討していくと良いでしょう。検討の際は「最大」「最小」「その中間」など、具体的な内容と金額を関連させながら考えます。店舗取得費(立地)や内外装費、厨房機器などは複数のパターンを検討すべきでしょう。

起業当初は事業の将来が予測しにくく、リスクが多い状態です。リスクを取って初期投資するのも判断としては間違ってはいませんが、事業の動向を見ながら徐々に投資を拡大することで、リスクを抑えることも可能です。

「最大」「最小」「その中間」といった複数の案を検討しながら事業イメージを確認しておくことは、借入などと関連し、なぜその資金が必要なのかを説明する際や、希望する金額すべてを調達できなかった際に役立ちます。

必要な開業資金を計算しよう

重要な設備資金項目について検討が終わったら、それ以外の項目を簡単に決めていきます。一通りの設備資金項目(金額)が揃ったら、不足が無いか改めて確認します。

開業に必要な事務手続き、登記関連の費用や保証金などの「諸費用」は、おおよその金額が予測できるものであり、先行事例・業界事例などを参考に決めていきます。例として、保健所に申請しなければならない飲食店営業の申請手数料は、大体20,000円弱のケースが多いようです。

設備資金と諸費用を合計すれば、必要な開業資金が完成します。
後は調達可能額などと折り合いを付けながら、改めて内容を修正することとなります。

開業資金の検討は、必要な資金項目の見落としや予想外の調達額になる可能性もありますので、知り合いの同業の事業者や外部の専門家のアドバイスを受けることも検討しましょう。