業種別開業ガイド

無国籍料理

  • エスニック(民族):アジアの魅力が再認識されて、「アジア料理店」に若者や女性を中心に人気が集まっている。中華料理店にまじって韓国料理、タイ料理、インドネシア料理、ベトナム料理のようなエスニック(民族)料理店の出店が増加している。
  • イメージ:顧客はエスニック店にエキゾチックなイメージを抱いており、未知のものや新しいものへの期待感を持って入店するので、その満足の提供のためには商品ばかりでなく店舗施設やサービス内容等すべてについて特に強力なコンセプトを表現することが重要である。

1.起業にあたって必要な手続き

飲食店の開業にあたっては、営業許可を所轄保健所の食品衛生課に申請する。また、食品衛生法では、各店に1人、食品衛生責任者を置くことが義務づけられている。
食品衛生責任者となるには、調理師、栄養士、製菓衛生師等の資格が必要である。資格者がいない場合、保健所が実施する食品衛生責任者のための講習会を受講すれば、資格を取得できる。

一般の開業手続きとして、個人であれば税務署への開業手続き等、法人であれば、必要に応じて、健康保険・厚生年金関連は社会保険事務所、雇用保険関連は公共職業安定所、労災保険関連は労働基準監督署、税金に関するものは所轄税務署や税務事務所にて手続きをする。

2. 起業にあたっての留意点・準備

●営業形態

・ コンセプトの明確化:経営者のコンセプトを確実に顧客に伝えられる演出をする。「アラビアンナイト」ならば入り口を洞窟風にして、室内やBGM、さらに従業員のユニフォームやサービス・スタイルまでアラビア風にする。

●課題

・ 期待に応える:女性や若者に人気のある業種であることを意識して、新規性や想像性を店舗全体にちりばめることが重要である。顧客の期待感に応えて、どんなワクワク、ドキドキを提供できるかがポイントとなる。

●経営のポイント

・ 女性客優先:若者や女性の来店・リピート意欲を刺激するために、女性客を優先したメニューを採用する。
・ 健康志向:ファミリー客層をターゲットにするためには、身体に安全であり健康志向で、さらに環境に優しい料理であることを強調する。
・ 小規模店:人気が高まりつつある業態だが、口コミで来店客が増えるようになるまでは小規模店での経営が望ましい。メニューや食材に高級感を持たせないなど、無国籍の家庭料理であることを印象づけるようにする。
・ メニューの幅:メニューは間口を広げて、アジア諸国や中近東諸国の料理を幅広く扱うと無国籍料理店としての印象が深まる。
・ 商品知識:珍しい料理を提供することからメニューの内容や歴史、食べ方等にまで知識を深め、顧客が質問する前に説明できると信頼感が増す。特に女性スタッフからの商品説明が「本格的な店」として認められるためには効果的である。
・ インターネットの活用:業種・業態が特殊であるためにリピート客や固定客には限界がある。新規の客層を獲得することが肝要で、そのためにはインターネットなどを活用した宣伝広告が必要とされる。
・ 販売促進:「国別メニュー」を用意してそのイベントを企画するなど、特異な業態を生かした販

3. 必要資金例

オフィス街に、30坪、65席で開業するケースとする
総費用:3,670万円,自己資金870万円(23.7%)、借入金2,800万円(76.3%)、金利4%

創業に必要な資金項目と金額を例示した表

4. ビジネスプラン策定例(モデル収支例)

●初年度売上計画例(客席数65席)

(単位:千円)

年間売上計画を例示した表

●モデル収支例

人件費:社員4名、給与30万円/月額、パート4名、時給(900円×9時間)/日
初期投資回収 4年度
(単位:千円)

初年度から4年目までの損益計画を例示した表
  • 必要資金、売上計画、シミュレーションの数値などにつきましては出店状況によって異なります。 また、売上や利益を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。

最終内容確認日2014年2月

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