起業マニュアル
仕入のポイント
何の商品を、どのように仕入れるかを考えていきます。魅力的な店作りには、常にお客様の求める品揃えになっているか、仕入商品を見直す必要性がないか考えることが大切です。
創業時の仕入商品のポイント
創業時は以下のことを考えて仕入商品を決定します。
- 店舗コンセプト
- 店舗レイアウト・ゾーニング
- 陳列スペース
- 商品群ごとの売上高と粗利益の予算
店舗コンセプトの中で、買いやすい価格帯の商品から、こだわりの商品まで取り揃えられるとよいでしょう。
また、季節感のある商品や、正月やクリスマスなどの出来事に合わせた商品など、時期によって変える売場作りの観点からも仕入商品を考えましょう。
仕入商品の見直しのポイント
開店後は、以下の情報をもとに、どの商品を仕入れるべきか考えましょう。
- 顧客からの生の声やアンケート
- POSシステムの販売データ
- 店頭にない商品への要望(顧客要求伝票)
- 販売員からの情報
- 業界紙(誌)の情報
- ネットショップの売れ筋ランキング
- 卸売業からの情報
- メーカーの新商品情報
運転資金や売場の広さには限度がありますので、新しく商品を仕入れるときは、今までの売れ行きを見て、仕入を止める商品も検討しましょう。
安く商品を仕入れる方法
1.大量仕入の実行
大量仕入のメリットとして以下のことが挙げられます。
- 数量割引の適用が受けられる
- 発注費用を削減できる
- 品切れを起こしにくい
しかし、一方で、保管費用の増加や商品回転率の低下、需要の変化による売れ残りリスクの増加、といったマイナス面もありますので、商品の性格をよく考えて行なう必要があります。
2.計画的な仕入の実行
大量仕入ができない商品では、当用仕入を行うことになりますが、この場合でも発注から納品までのリードタイムを考えたうえで、 必要な時期と量を予測し、無理な発注や無駄な発注を避けることが必要です。こうした計画的な仕入の実行により、品切れによる機会ロスを防いだり、発注コストを削減したりすることができます。
3.共同仕入の実行
共同仕入とは、同種の商品を扱う小売店が提携して共同で仕入を行うものです。中小の小売店でも、以下のメリットがあります。
- 数量割引の適用を受けやすくなる
- 各店の情報を総合できる
- 仕入交渉力が高まる
ただし、小売店同士の規模の差から不合理が起きることや、人間関係にあつれきが生じやすい問題点もあります。
4.仕入の集中化
安定した仕入をするため、または独占の弊害を避けるために、複数の仕入先を確保しておくことは必要ですが、むやみに取引先を広げても深いつきあいがしにくくなります。
取引先を絞り込むことで取引条件を有利にすることができないか交渉してみましょう。