すぐに使える/小売店のABC分析表
本レポートは、小売店の経営者の方を対象として、自店の品揃えを検討するためのABC分析手法を紹介している。
1. 小売店のABC分析表の活用
ABC分析は小売業だけでなくさまざまな業界で用いられている分析手法。たとえば100種類の商品を扱う店では上位20種類(2割)の売れ筋商品で売上の8割を占めることが多いといわれる「2割-8割の法則」としても有名。
店舗の限られたスペースを有効活用したいなら、まず各商品の売上状況をしっかり把握しておくこと。「ABC分析表」を使って品揃えや販売戦略を立ててみよう。
<ABC分析表作成と活用>
1)商品ごとの売上高と合計の売上高を把握する
商品種類が少なければ単品ごとに、多ければ商品群としてまとめて把握しておく。なお商品群でABC分析を行なった後、各商品群内の単品についてもABC分析を行なうことでより詳細な分析が可能となる。
*売上高を把握する期間は、月ごとや半期ごとなど自由に設定してよい。
2)実数を記入
売上高の大きい商品から順番にABC分析表の「商品名」「売上高」「シェア」「累計シェア」の欄に実数を記入していく。
*シェアは売上高の合計に対してのシェアを記入し、累計シェアは商品ごとのシェアを上から順番に加算したものを記入すること。
3)ランク付けを行なう
累計シェアを見ながら「区分」の欄にA・B・Cのランクを記入。
*たとえば、累計シェアで上位50%までを構成している商品についてはA、それ以下で上位80%までの商品をB、それ以外をCとする。
4)売上高に応じた商品管理を行う
売上高シェアの高いAランクの商品については、他の商品と比べ陳列棚のフェイスを広くしたり、特別なスペースを用意したりするなどの対応をする。また、商品の前出し管理の徹底や、鮮度落ち、品切れを起こさないための随時発注やバックヤードからの補充についても十分注意すること。Bランク商品については売上高に応じたフェイスの広さを用意するとともに、定期的な発注・補充で対応。Cランクの商品については、他の商品との関連を考慮しながら商品種類の入れ替えを検討する。デッドストック化しないように見切り売りのタイミングも考えておくこと。
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