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中国向け車載用冷凍庫はCCCマークを貼付すればCGPマークは不要になるのでしょうか。

2021年 8月 6日

当社製品の車載用冷凍庫を日本国内の商社経由で、中国の商社に見本品を輸出したところ興味を示しています。当社製品の庫内容量は20リットルで、マイナス40℃まで冷却できる特徴があります。医療用を意図して開発しましたが、用途は限定していません。
取引条件や価格交渉中ですが、要求事項にCCCマークやCGPマークの貼付があります。
製品にCCCマークを貼付すればCGPマークは不要になるのでしょうか。

回答

CCC（3C）マーキングとCGPマーキングは、対象製品や基準が異なる適合宣言です。大雑把にいえば3Cは製品安全マーク、CGPは環境配慮マークです。

1. CCC（3C）マーキングについて

CCC（以下3C）は中国がWTOへの加盟にあたり、製品規制の明確化の一つとして2003年から運用しています。3Cの根拠法はいくつかありますが、「品質法」もその一つで、「品質法」の品質基準の一つが3Cになります。（注1）

3Cは「安心」と「EMC（Electromagnetic compatibility：電磁両立性）」を基本的な目的としてスタートしました。その後、3Cマーキングは徐々に変わってきています。最近の大きな変化として、「强制性产品认证自我声明实施规则（CNCA-00C-008：2019）」（強制製品認証の自己声明（宣言）の実施規則）が2018年から運用されています。（注2）
対象品目が拡大され、各品目に対する適用規格(基準)も規定されています。（注3）（注4）

適用品目に「19．家庭用冷蔵庫及び食品冷凍庫（0701）」があります。
家庭用及び類似用途設備 （19品目）共通の要件は以下です。
1．以下の要求を満たす家庭用及び類似用途設備
(1)　家庭用及び類似用途に利用する製品
(2)　公衆に対して危険が存在するもので、商店、事務所、ホテル、軽工業、農場等の場所で電気の専門者以外が使用する設備
2．モータ — コンプレッサを除き、電力網を通じて電力を利用する場合は、定格電圧は 単相220V、定格周波数は 50Hz、3相380V、定格周波数は 50Hzとする。
3．工業用として設計された器具、及び着脱式電源装置で電力を供給して且つ販売時に着脱式電源装置を付帯しない器具は含めない。

家庭用冷蔵庫及び食品冷凍庫（0701）の要件は以下です。
・製品カテゴリの要件
①定格電圧は単相250V を超えない 、単相以外の定格電圧は 480V を超えない。
②適切な容積を備え、内蔵装置で冷却し、1つまたは複数の食品貯蔵室を持つ密閉断熱器具。
・適用製品
　家庭用冷蔵庫及び食品冷凍庫
・適用外(説明欄)
　業務用販売機、開放式冷蔵/冷凍ショーケース、単独形式製氷機及びアイスクリーム製造機、リモート式陳列棚、生鮮品自動販売キャビネット、物流用冷凍冷蔵庫キャビネット、冷蔵冷凍倉庫等を含めない。
・適用規格
　GB4706.1　「家庭用および同様の電化製品の安全性パート1：一般要件」
　GB4706.13　「家庭用および類似の電化製品用の安全冷凍装置、アイスクリーム製造機および製氷機に関する特別要件」
　GB4343.1　 「家庭用電気機器、電動工具及び類似機器の電磁両立性-第1部　エミッション」
　GB17625.1　「電磁両立性限界と高調波電流放出限界」

家庭用冷蔵庫及び食品冷凍庫（0701）は、自己宣言型ではなく、従来の手順で適合宣言をします。
　・申請
　・書類審査と型式試験
　・工場審査

貴社製品の用途により3Cが適用される可能性があります。

2. CNCA-00C-008について

自己声明によりCCC適合証明を行う場合の実施規則で、現在は、2019年版が最新版です。自己声明方式は2方式です。
1）自己声明方式A（試験所の制限なし）
2）自己声明方式B（認定試験所での評価が必要）
声明方式は製品により適用できる方式が決められています。自己声明方式が適用されない家庭用冷蔵庫及び食品冷凍庫（0701）は、これまで通りの第三者認証方式となります。
認証方式が異なってもマーク図案は同じです。

3.CGP（China Green　Products）マーキングについて

RoHS管理規則第18条で合格評価（評定）制度の規定をしています。（注5）

工業情報化部は、電器電子製品有害物質制限使用工作の状況に従い、国家認証認可監督主管部門に電器電子製品有害物質制限使用合格評価制度の構築を提案し、国家認証認可監督主管部門は、職責の範囲内で工業情報化部と共同で合格評価制度を制定、公表および実施する。

第18条の合格評定制度が「电器电子产品有害物质限制使用合格评定制度实施安排」で、市场监管总局 と工业和信息化部の連名で告示されました。（注6）

この取り決めは、「绿色产品标识使用管理办法」（グリーン製品マークの使用管理措置）によるものです。（注7）

この根拠法は「中共中央 国务院印发《生态文明体制改革总体方案》」（中国共産党中央委員会、国務院の配布の“生態文明システム改革の全体計画”）です。（注8）

「全体計画」は、「持続可能な開発」と同じような政策です。

CGPマーキングの対象は、RoHS管理規則第18条の「電器電子製品の目標達成目録に収載された電器電子製品は有害物質の使用制限に関する国家基準または業界標準を遵守しなければならない。」による「目録収載製品」になります。

目録は現時点では12品目で、その中に「冷蔵庫」があります。（注9）

冷蔵庫は、800リットル以下の1つまたは複数の冷蔵/冷凍室で構成され、指定された温度で制御でき、適切な体積と構造を持ち、自然対流または強制対流を使用し、1つまたは複数の種類のエネルギーを消費して断熱ボックス定義しています。さらに、以下の説明があります。

設置方式：据付、ポータブル、壁掛け、または埋め込みタイプ
目的：冷蔵冷凍庫、冷凍庫、横型冷凍庫、陳列棚、ワインキャビネットなど

貴社製品は、上記の範囲に該当するように思えます。

4.適合宣言について

3Cは強制認証になります。日本国内に認証支援機関が多くあり、ネット検索で探せます。
申請では技術文書を提出しますので、営業秘密の保持などについても相談するとよいと思います。」

CGPマーキングはCQC中国品質認証センターなどによるRoHS自主認証と自己宣言の2方式があります。

自己宣言はCNCA（中国国家認証許可監督管理委員会）のサイトから登録し、技術文書もPDFで提出します。（注10）

2021年6月末時点で、適合宣言は12,600件余登録されています。（注11）

入力は、日本企業が直接行うことができなく、中国の授権代理人を立てて行います。授権代理人の契約組織が日本に設立されていますので、3C同様に営業秘密の保持などについても相談するとよいと思います。

引用情報等：

回答者

中小企業診断士　松浦　徹也

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