ビジネスQ&A

顧客からのクレーム対応時に気をつけなければいけないことは何ですか?

和菓子の小売店をしていますが、商品の販売時の対応について顧客からクレームがきたときに、どのように対応するのがもっともよいのでしょうか。お客様によって対応は変えるべきでしょうか。

回答

クレームを言ってくれる方は、商品やサービスに期待をしているファンの方たちです。相手の言い分をきちんと聞いて、相手の感情を受け入れ、双方にとって納得のできる解決策を提示することができれば、クレーム顧客はあなたの会社のさらなるファンになってくれるでしょう。

お客さまがクレームを言うときとは、どのようなときでしょうか。商品やサービスに期待が高ければ高いほど、それが実現しなかったときの落差は大きなものとなり、心情的な怒りがこみ上げてきます。日用品をスーパーで買うときに多少商品に問題があったり、接客態度が悪くても我慢はできるでしょうが、気に入った商品やサービスを購入するために来店した際に、不良品を渡されたり接客態度が悪ければ、顧客対応に対する印象は大きく悪くなるでしょう。クレームをいう方は、基本的に製品やサービスを高く評価されているファンの方なのです。

【クレームの種類】

代表的なクレーム内容を2つに分類すると、

  1. 商品やサービスに対するもの
  2. 接客態度などコミュニケーションに対するもの
このようにわけることができます。

1.の場合のクレームは比較的その原因が明快で、「商品に異物が混入していた」、「送られてきた商品が違うものだった」、「研修の内容がパンフレットと異なっていた」のように、商品やサービスそのものに対するクレームです。

2.については、「接客時の従業員の態度が横柄で不快だった」、「接客時に強く勧められたが、結局無理矢理買わされた気がしている」など、接客態度や顧客の感じ方によるもので、相手の立場に立ってきちんとしたコミュニケーションができれば、クレームの発生を避けることができるものです。

【クレーム対応のポイント】

クレーム対応のポイントは、大きく、5項目に絞られます。図1を参考に、以下の点に気をつけてください。

感謝の言葉を伝える 相手の話をきちんと聴く 相手の話に応答する(相槌を打つ) 相手の本当に怒っている理由を確認する 双方にとって最適な解決案を提示する 感謝の言葉を伝える 相手の話をきちんと聴く 相手の話に応答する(相槌を打つ) 相手の本当に怒っている理由を確認する 双方にとって最適な解決案を提示する
図1 クレーム対応のフローとポイント

以下に、クレーム対応のポイントを、詳しく見ていきたいと思います。

(1)感謝の言葉を伝える

前述しましたが、クレームをわざわざ言ってくるお客さまは、自社の商品やサービスに高い期待をもったファンであることが多いものです。まずは相手に「お買い上げいただきありがとうございます」といった言葉をかけることで、顧客のトーンも和らぐでしょう。

(2)相手の話をきちんと聴く

クレームを言う相手は、圧倒的に怒っていることが多いものですが、お客さまも言いたいことを一通り聴いてもらえると気持ちが静まり、怒りが和らぐ場合が多いものです。まずは相手の話を遮らずに、じっくりと聴くことから始めましょう。

(3)相手の話に応答する(相槌を打つ)

話を聴く際も、ただ黙って聴いていたのでは、きちんと聴いてもらっているのか相手は不安になってきます。まして、顔の見えない電話でのクレームの場合には、なおさらです。「はい」、「そうですね」といった相槌を要所要所で入れることで、相手にはきちんと聴いてもらっているという安心感を与えることができるようになります。

(4)相手の本当に怒っている理由を確認する

話を聴きながら、相手の怒っている本当の理由を考えてみてください。最初は商品についてクレームを言っていても、よく話を聴いてみると商品に問題があるのではなく、接客態度に問題があり怒っていることが分かることがあります。クレームを言う側も、なかなか本心を言葉に出さないものです。何が本当のクレームの原因なのか、相手の立場に立って考えてみてください。

(5)双方にとって最適な解決案を提示する

相手の話を聴き、相手が怒っている本当の理由がわかったら、問題の解決案を相手に提示することになります。このときに、自社の都合を考えて画一的なマニュアルどおりの解決策を出してしまうとせっかく収まりかけたクレームに火を注ぐことになりかねません。相手の立場に立って、双方にとってもっともよい解決策がないかを考えてみてください。ときには、マニュアルにはない対応も必要になります。その際には、上司ともよく相談してみてください。

以上5つのポイントに気をつけて、お客さまのクレーム対応を実践してみてください。クレームを言ってきた相手にきちんとした対応で納得をしてもらうことができれば、お客さまはさらにあなたの会社のファンになることでしょう。

回答者

中小企業政策研究会

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