ビジネスQ&A

人材募集の方法には、どのような種類がありますか?

ソフトウェアの企画開発会社です。人材不足で現在、募集を考えていますが、その具体的な方法とそれぞれの特徴等をお聞きしたいです。最近では、新しいアプローチ型の方法があると聞いています。

回答

人材募集の方法といえば、求人広告(紙媒体、ハローワーク等)、Web(ホームページ、求人サイト等)、紹介(学校、社員、人材紹介事業者等)等が挙げられます。最近ではWebの中でも、SNSを活用した「ソーシャルリクルーティング」という方法があります。

人材募集の方法はさまざまですが、企業の負担能力や採用ターゲット、雇用形態によって使い分ける必要があります。それぞれの特徴は、以下のとおりです。

【紙媒体による募集】

有料で購入してもらう求人情報誌や無料のフリーペーパー、新聞の求人広告欄や折込チラシ等です。

メリット

●エリア別に配布されるため、その地域の人材を採用しやすい。
●フリーペーパーは、若年層のアルバイト・パートの募集に向いている。ただし、媒体によっては地域密着型の正社員の採用も可能である。
●業界紙や専門誌を利用すれば、特殊なスキルを持つ人材の採用が容易になる。

デメリット

●採用に至らなくても費用がかかる。
(媒体の種類と広告スペースによって、数万円~数十万円程度かかる。)
●短期での掲載が多く、タイミングによって応募者数が変動する。
●広告スペースに限りがあるため、十分な情報を提供しにくい。

【ハローワークによる募集】

メリット

●求人そのものは無料のため、採用コストを節減できる。
●地元採用を検討している企業に向いている。
●広い層の求職者に見てもらうことが可能である。
●採用ターゲットによっては、「トライアル雇用奨励金」や「特定求職者雇用開発助成金」、「障害者雇用安定奨励金」等の助成金の受給が可能である。

デメリット

●求人票の様式では自由に情報を掲載できないため、十分なアピールがしにくい。その結果、雇用のミスマッチが起きやすい。
●求職者のスキルにばらつきがあり、スキルの高くない人の応募が多くなる傾向にある。

【ホームページによる募集】

メリット

●会社の方針や理念、先輩の声等伝えたい情報を掲載できるため、雇用のミスマッチを防ぐことができる。
●応募者の質を統一することができる。
●条項に合わせ、こまめに手直しをすることができる。

デメリット

●自社内で作成する場合の人件費、メンテナンス費用がかかる。外部に依頼する場合は、作成費用がかかる。
●検索してもらうための工夫やSEO対策が必要となる。

【求人サイトによる募集】

メリット

●求職者がいつでも閲覧することができる。
●特定の業種や職種等に特化したサイトを利用すれば、欲しい人材を採用しやすい。

デメリット

●掲載期間やスペースに応じて費用がかかる。
●応募者の対応や管理に時間や手間がかかる。

【紹介による募集】

メリット

●採用条件に合った人材を採用しやすい(ただし、学校や社員からの紹介の場合は、そうでない可能性もある)。
●採用の手間がかからない(ただし、学校に訪問しなければならない)。

デメリット

●紹介事業者からの紹介の場合は、年収の30%程度の費用がかかる。
●選考時の見極めが甘いと、費用をかけてもミスマッチな人材を採用することになりかねない。

【ソーシャルリクルーティングによる募集】

企業がFacebookやTwitter等のSNSを利用して採用活動を行うものです。

人事採用担当者、または普通の社員が、日々の企業情報や業務について、これらのサービスを利用して情報発信を行います。応募者は、ホームぺージや求人サイトだけでは知り得ない実際のところを知ることができます。また、コメントを書き込むことも可能で、企業と応募者の双方向でコミュニケーションを図ることができるのです。

これにより、企業そのものを十分に知ってもらうことができ、応募者も自分をアピールすることが可能になるため、ミスマッチを防ぐことができ、より適切な人材確保が可能となります。

メリット

●掲載料等の基本的なサービスの利用は無料です(一部機能や広告掲載は有料)。
●ホームページや求人サイト以外の情報を求める、感度の高い求職者を確保できる可能性が高い。
●応募前から接点があり、相互を知ったうえでの応募・選考になるため、ともによいマッチングになる。

デメリット

●利用サイトによって、求職者にアプローチする際等に費用がかかる場合がある。
●求職者への情報提供をこまめに行う必要がある。
●欠員補充等緊急的な募集には適さない。

回答者

社会保険労務士 吉岡 早苗

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