ビジネスQ&A

人手不足が深刻な現在、良い人材はどうすれば確保できますか?

従業員13名の金型加工業です。景気も追い風となり新たに社員を雇用したいと思っていますがなかなか良い人材が見つかりません。何か良い方法があればアドバイスをお願いします。

回答

中小企業にとって良い人材の確保は難しい問題ですが、「地域中小企業・小規模事業者人材確保等支援事業」等の公的施策や紹介予定派遣など民間の力を活用した方法などをぜひ検討してみてください。

金型加工業はリーマンショックからの低迷から脱し、徐々に業界も活性化されてきております。しかしながら、新たに人材を確保したくてもなかなか働き手が見つからない状況にあります。

少子化が進む中において人材確保は、中小企業の大きな課題です。現状は働き手も多い中、なかなかマッチングがうまくいかない状況が続いています。

これは、働き手の問題もありますが、企業側の問題であることも少なくありません。

中小企業の改善すべき点として、働き手あるいは大学キャリアセンターなどの支援者にうまくアピールできていないことが挙げられます。

大企業は知名度があり、働き手にもイメージしやすいですが、中小企業は存在を知られていないケースが多いのです。そのため、何ができるの?本当に信用できるの?といった不安を解消し、会社の訴求点を前面に押し出すPRをして行かなければなりません。

それを進めるには、会社の経営戦略構築が必要です。働き手に興味を持ってもらう売りを訴求するためには、会社の中長期計画からなる方向性の明示、それに共感する社員の存在、アピールポイントの抽出、人財育成プランの提示など、会社そのものの経営を見直してみてはいかがでしょうか?

また、信用調査会社などのヒアリングにも積極的に受ける姿勢も必要です。信用調査会社の調査内容で、会社を判断する支援者も存在します。

【公的施策の活用】

ハローワークなどを活用することも必要ですが、経済産業省でも「地域中小企業・小規模事業者人材確保等支援事業」という施策を行っています。これは都道府県ごとにコーディネート機関を設けて、それぞれの都道府県単位で若者・シニア・女性を対象とした中小企業との確保定着支援を行っています。詳しくは、各都道府県のコーディネート機関にお問い合わせください。

地域中小企業・小規模事業者人材確保等支援事業の事業イメージ 地域中小企業・小規模事業者人材確保等支援事業の事業イメージ
図1 地域中小企業・小規模事業者人材確保等支援事業の事業イメージ

【民間の活用】

人手不足の会社や人材のミスマッチに悩んでいる会社の中には、紹介予定派遣を活用して人材を確保している企業も多くあります。

紹介予定派遣とは、派遣契約終了後正社員・契約社員となることを前提に、最長6カ月間派遣社員として就業し、派遣契約終了時に労働者と派遣先企業の双方の合意により正社員・契約社員として採用されるシステムです。

人材の確保と、人材のマッチングの両方の問題を解決できる手法ですので、ぜひ活用を検討してみてください。

回答者

中小企業診断士 小野寺 義明

同じテーマの記事