ビジネスQ&A

社員向けの勉強会を盛り上げる方法を教えてください。

従業員100人弱の眼鏡販売業を営んでいます。社員のスキルアップのために、社内で勉強会を企画するのですが、自主参加のためかなかなか人が集まりません。また勉強会自体にも活気がないようです。勉強会を盛り上げる良い方法はありませんか。

回答

勉強会を盛り上げるためには、勉強会に参加することで得られるメリットを社員にイメージさせ、やる気や目的意識を持ってもらうことと、参加者が参加しやすいように勉強会の開催条件を整える必要があります。そのためには勉強会の内容、対象者、開催時期、場所、時間などを適切に設定する必要があります。勉強会後にアンケートを実施して、集めた意見を次回の勉強会をより良くするために活かしていきます。

社内勉強会の参加者が少なく盛り上がりに欠ける理由には、社員の参加意欲が乏しいことが一番の理由として考えられます。社員が参加したくなる勉強会とするためには、勉強会の内容を社員のニーズに合わせて設定し、勉強会に参加することで得られるメリットを社員に想起させることが重要となります。そのためにはどのように勉強会を企画すれば良いのか、流れに沿って説明していきます。

【対象者の絞り込み】

勉強会の対象者はどのように設定しているのでしょうか。「全社員対象」などのように対象者を広くすると、勉強会のテーマも漠然としたものとなってしまいがちです。「若手(1-3年目)接客担当者」などのように、対象者の絞り込みを行うことで、対象者層が一般的に抱える課題がより明確になり、実践的なテーマを設定することができるようになります。

【勉強会のテーマ設定・講師の選定】

対象者が決定したら、勉強会のテーマを設定します。対象者が日常業務で抱える課題や悩みなどに即したテーマを選びましょう。対象者として該当する社員にヒアリングを行い、生の声を集めることも非常に有効です。また、決定したテーマに合わせて講師の選定も行います。

【勉強会形式の選定】

勉強会の形式には講義形式、グループワーク形式、個別指導形式などが考えられます。体系だった知識を教えるには講義形式が適していますが、個別具体的な知識や技能の伝達には個別指導形式が適している、というようにそれぞれ一長一短があります。勉強会のテーマに合わせて、最も効果的な形式を選択しましょう。

また、講義形式とグループワークを組み合わせることで、効率的な知識の伝達と修得を両立させるといったように、それぞれを組み合わせることで、互いのメリットを活かすことができます。

ここまでに説明した「対象者の絞り込み」「勉強会のテーマ設定・講師の選定」「勉強会形式の選定」により、これから行おうとしている勉強会の概要が決まりました。これに続いて、開催時期や日時といった勉強会の詳細について検討します。

【開催時期、日時、場所を設定する】

開催時期や日時、場所といった開催条件は、対象者が勉強会に参加するかどうか決定する上で、物理的な制約となる可能性があります。これらの設定を誤ると、いくら魅力的な勉強会を企画したとしても、思うように参加者が集まらないという結果を招く可能性があります。こういった失敗を回避するために、開催条件の設定にあたっては、対象者層の特性を考慮して、無理なく参加できるように調整する必要があります。

【勉強会の周知を行う】

勉強会の周知を行う際に重要なことは、その勉強会に参加することで得られるメリットを対象者にしっかりと伝えることです。開催条件によっては、参加者は業務に充てる時間や、終業後の時間、休日などを削って参加するため、それらと勉強会に参加するメリットを天秤にかけて参加・不参加を判断することになります。このため、勉強会に参加することにメリットがあることをしっかりと伝えることが重要です。

【無記名式アンケートを実施し、結果を次回の勉強会に反映する】

勉強会実施後は、必ず参加者にアンケートを実施するようにします。アンケートを実施することで、参加者の意見・感想を集めて、次回の勉強会の企画に活かします。

また、アンケートを行う際には、できる限り無記名式とします。これにより参加者の忌憚のない意見を集めることができ、勉強会の内容に不満があった参加者がいた場合には、後でそのフォローアップをすることが出来ます。

【社員自身に勉強会の企画・運営を任せる】

最後に、最も簡単に、社員の求める勉強会を企画する方法を紹介します。それは、勉強会を受講する社員自身に勉強会を企画・運営してもらうという方法です。社員数人を選抜して勉強会の企画会議を行い、上述した流れに沿って勉強会の企画を行うことで、勉強会に参加する社員たちにより身近で参加しやすく感じてもらえる勉強会を実施することができます。

回答者

中小企業診断士・一級FP技能士・第三種電気主任技術者 谷口 英人

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