ビジネスQ&A

接客スキルをあげる管理体制や育成方法を教えてください。

パスタ主体のイタリア料理店を営んでいますが、他店よりも低い接客の質に悩んでいます。接客担当者は、10代から30代のアルバイト5人からなります。担当者間での連携が悪く、一人ひとりのモチベーションも低いです。接客の質を向上させるような管理体制や育成方法などはないでしょうか。

回答

まず会社の経営目標をアルバイトと共有しましょう。また、経営目標との整合がとれ、アルバイトの自己実現につながるような人材管理の仕組みを構築して、モチベーションを高めましょう。マニュアルなどを整備し、接客の質を一定以上に保つための仕組みを構築しましょう。

【アルバイトのモチベーションと帰属意識を高めましょう】

お客さまの目から見れば、アルバイトも正社員も、同様な従業員に写ります。このため、アルバイトも正社員と同じ気持ちで働いてもらう必要があります。そのためには、アルバイトのモチベーションや帰属意識を高めることが重要です。

まずは、自社の経営目標(売上高目標や社会貢献、店舗拡大・多店舗展開、将来のビジョンなど)などをアルバイトと共有しましょう。そのうえで、アルバイトも正社員と同様に、経営目標の達成に必要な仲間であることを説明しましょう。

また、経営目標との整合がとれ、アルバイトも含めた従業員の自己実現につながるような人材管理の仕組み(育成、評価、報酬など)を構築しましょう。

(1)育成

個人の能力に応じて、担当する職務(接客や新人のトレーナー、店舗運営へ参加など)を増やします。また、スキルアップのための教育制度を設けます。

(2)評価、報酬

個人評価や全体評価などがあります。

a.個人評価

累積100時間の勤務で一度もオーダーを間違えなかった場合は、時給をアップします。また、勤続年数やスキルなどの評価ポイントが一定以上になれば、昇進・昇格(担当者→サブリーダー→リーダーなど)や正社員への登用を検討します。

b.全体評価

経営目標を達成できた場合(月間や年間の売上目標をクリアしたりするなど)は、全従業員に臨時ボーナスを支給します。

【接客の質を一定以上に保つための仕組みを構築しましょう】

接客の質を向上させる方法として、「マニュアル」と「連絡ノート・ミーティング」、「教育・訓練の方針」を説明します。連絡ノート・ミーティングは、従業員間のコミュニケーション向上にも役立ちます。

(1)マニュアル

まずは、基本的な業務(来店時や注文時などの言葉使いや動作など)と安全衛生(手洗いや服装、髪型、化粧など)に関する項目について、マニュアルを整備しましょう。マニュアルは定期的に見直しを行います。項目の追加や既存項目の修正、不要になった項目の削除などを行い、実務に即した内容を保ってください。

ただし、マニュアルは飲食店として当然果たすべき品質を維持するものにしかすぎません。アルバイトを含めた従業員には、マニュアルを守るのは当然で、マニュアルに載っていない業務についても、対応が必要なことを説明しましょう。

(2)連絡ノート・ミーティング

連絡ノートやミーティングを活用して、連絡事項などを従業員間で共有しましょう。接客のトラブルや思いがけずお客様から感謝されたこと、印象に残ったお客様などの情報も共有するとよいでしょう。

また、問題を討議し、改善策を検討する場としても利用しましょう。よい改善策が生まれれば、マニュアルに反映したり、改善策を提案した従業員に昇進・昇格や昇給のポイントを与えたりしましょう。

(3)教育・訓練の方針

接客の教育・訓練は、マニュアルを読ませたり、口頭で説明したりといった知識の教育だけでは、十分ではありません。トレーナーが実際に手本を見せ、アルバイトが現場で実務を体験することが重要です。

回答者

中小企業診断士
岩佐 光輝

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