ビジネスQ&A

SNSをビジネスに活用するにはどのような方法がありますか?

居酒屋を開店して3年目になる者です。同業者の中でSNSというものを使って集客しているという話を聞きました。当店でもぜひやってみたいと思うのですが、どのような点に注意すればよいのでしょうか。

回答

SNSでは、お客さまとコミュニケーションを図ることができるという大きなメリットがあります。しかし、参加してくれるのはあなたのお店のファンということになります。SNSで効果的な集客をするためには、多くのファンを獲得する努力が欠かせません。

【SNSとは】

SNSとは、ソーシャルネットワーキングサービス(Social Networking Service)の略で、ソーシャルという単語がつくように、人と人とのつながりを促進し、サポートするコミュニティ型のWebサービスのことを指します。自分の日記を書いたり、参加しているメンバーとメールのやり取りを行ったりすることができます。SNSの具体例としては、Facebook、LinkedIn、mixiなどがあります。

SNSの仕組みを例示した図 SNSの仕組みを例示した図
図1 SNSの仕組み

似たようなサービスとしてブログ(weblogの略)がありますが、ブログは閲覧者が不特定多数であるのに対し、SNSでは自分が承認した友達(フレンドなど、サービスにより呼称が異なります)に対してのみ日記などが公開され、外部の人間はみることができません。ここが両者の大きな相違点になります。

【ビジネスに活用され始めているSNS】

最近、ビジネスにSNSを活用している企業が増えています。

自社のある製品の顧客を集めたSNSサイトをつくり、そこで顧客同士のコミュニケーションを図ることにより、ほかのブランドへのスイッチを防止したり、顧客の声を吸い上げて、次の製品づくりに役立てるという企業もあります。

ここまで本格的な使い方をしないまでも、顧客とのコミュニケーションの場としてSNSを使う企業も増えています。典型的なのは飲食店や美容室など、顧客とのコミュニケーションがそのまま集客に結びつくような業種です。

居酒屋であれば、自店のお客さまのコミュニティをつくり、そこで「今日の仕入」や「自宅でできる居酒屋レシピ」などの情報を提供したり、お客さまからのメッセージに答えたりすることによって、集客を図っています。

実際に来店されたお客さまにカードなどをわたして、コミュニティに参加するように促しているケースが多いです。

【SNSでの集客の注意点】

SNSで集客する際の注意点は、以下のとおりです。

  1. 規約を守ること
    SNSのサービスによっては、商用でサービスを使うことを規制しているところがあります。どこまでが許されるのか、あらかじめ規約を読み確認しておいてください。
  2. 商売を前面に出しすぎないこと
    SNSに参加している人は「コミュニケーション」を目的に参加しています。そんな場所であまり露骨に営業活動を行うと、かえって反感を持たれてしまいます。みんなが興味をもつような情報を提供するくらいのスタンスで参加したほうが、好感をもたれるようです。
  3. 集客はお店のサービス次第
    コミュニティに参加してくれるのは、あなたのお店のファンです。当然のことではありますが、ファンを多く獲得しないことにはコミュニティへの参加者も増えません。つまり、SNSで集客をするためには、まずはリアルの店舗で一人でも多くのファンを生み出す努力が欠かせません。その努力なくしてSNSでの集客はあり得ないと認識してください。

SNSではお客さまのダイレクトな声も聞けます。これを活かしてさらに多くのファンを獲得できるよう、改善努力を積み重ねていってください。

回答者

中小企業診断士 遠藤 康浩

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