ビジネスQ&A
現在の店舗の経営に加えてインターネットショップを始めたいのですが、どうやればよいのでしょうか?
お酒の小売店を経営していますが、売上拡大のためにインターネットショップを開設して、販路を広げたいと考えています。でも、自社にはITに強い人材もいませんし、始め方も分かりません。いったいどうやって始めればよいのでしょうか?また、始めるにあたって、どのような準備が必要になりますか?
回答
まずは、インターネットショッピングモール(「楽天市場」や「Yahoo!ショッピング」など)に出店する形式で始めてみましょう。開設の際には、製品やサービスによる他社との差別化や決済方法の充実、短納期の実現など、顧客にとって魅力のあるショップづくりが重要です。
お酒の小売店をしているのでしたら、ネットショップを開設することができれば、売上拡大の有効な販売チャネルとすることができるでしょう。ネットショップでの商品の販売は、大きくわけるとB to B(Business to Business:企業同士の取引)とB to C(Business to Consumer:企業と消費者の取引)、C to C(Consumer to Consumer:消費者間の取引)の3タイプにわかれます。最近は個人向けのショッピングサイトの伸びが著しくなっています。また、これにともない1世帯当たりのショッピングサイトでの支出総額も大幅に増加しています。
【ネットショップをどのように準備したらよいか】
それでは、ネットショップを始めるには、どのようにすればよいのでしょうか。ネットショップを始める方法には大きくわけて2つあり、1つは自社でネットショップのシステムを構築する方法、もう1つはインターネットショッピングモールのシステムを借りて始める方法があります。初めてネットショップを始めるのであれば、自社でネットショップのシステムを準備することはお勧めできません。その最大の理由は、セキュリティに関するメンテナンスが必要になるためです。これにはITに関する専門的な知識をもった人材が必要で、実際のメンテナンスにも膨大な労力がかかります。ネットショップでセキュリティを無視して運営することは、実店舗で鍵を閉めずに店を留守にするようなものです。
その点、インターネットショッピングモール(「楽天市場」や「Yahoo!ショッピング」など)に出店すれば、セキュリティに関する管理はショッピングモールの運営会社が行うため、出店者はその点を気にする必要はありません。また、初期投資の面でも、ショッピングモールを利用した方が、自社でシステムを構築するよりも有利になることが多いです。
【ライバルに差をつける】
さて、お酒を販売しているネットショップは膨大な数があります。同じインターネットショッピングモール内でも多数の酒の小売店が出店しているでしょう。ただ単にネットショップを開設したというだけでは、なかなかお客さまを集め、購入してもらうことは難しいものです。そんな中で、どのようにライバルと差をつけていったらよいでしょうか。
差別化の方法はたくさんありますが、1つの方法として「鮮度の高い専門的な情報発信」があります。お客さまの知りたい商品に関する情報が、ほかの店よりも豊富に掲載されていれば、それだけで買い手にとっては価値の高いものとなり、ネットショップ訪問の誘因となるでしょう。また、別な方法としては、「希少性の高い商品」を販売することです。もし、このネットショップでしか買えない、「限定ワイン」の品揃えができれば、ほかのネットショップとの大きな差別化要因とすることができるでしょう。
【決済方法を充実させる】
お客さまが購入を決定する際に重要視するポイントが、決済方法です。ネットショップでの決済方法として代表的なものには、「現金振込」、「クレジットカード払い」、「代引き」、「コンビニ決済」などがあげられます。たとえば、インターネット上のクレジットカード決済によるカード情報の漏洩を気にされるお客さまには、ほかの決済方法が必要です。また、決済のときの手数料の負担を気にされる方は、手数料のかからないクレジットカード払いを選択するなど、お客さまによって必要な決済方法はさまざまです。そのためにも、幅広い決済方法を準備した方が、より多くのお客さまを獲得することができるようになります。
【納期の短縮】
お客さまにとっては、欲しい商品はなるべく早く届いた方がうれしいものです。とくにネットショップで購入するお客さまは、素早い納期というものが購入決定要因の重要な要素となります。もし、自社のネットショップが、商品を注文してから手元に届くまで1週間の納期がかかるのであれば、お客さまはもっと納期の早いネットショップからの購入を検討するかもしれません。注文から商品の発送まで、いかに短い時間で処理を行うことができるかが、お客さまに選ばれる店としての重要なポイントになります。
以上のように、実店舗とネットショップの違いを考慮して、お客さまにとって魅力のあるショップづくりを行うことが成功のポイントです。ただし、ネット上で酒類を扱う場合は、店舗とは別に酒類販売業免許が必要となりますので、ご注意ください。
- 回答者
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中小企業政策研究会
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