ビジネスQ&A
自社独自ドメインを取得するとどのようなメリットがありますか?
よく会社名や商品名と同じ名前を使ったインターネット上の住所(URL)を見かけますが、私でもインターネット上に自分だけの住所をもつことは可能でしょうか?
回答
自分だけのインターネット上の住所(URL:Uniform Resource Locator)をもつことは可能です。また、実際に活用するかどうかは別としても、まずは商号に関する独自ドメイン名の登録を検討するだけのメリットはあります。
近年、インターネットも一般的に普及し、中小企業においてもプロバイダー(インターネット接続事業者)のサービスに付随するドメイン名以外に、商号や商品名にちなんだ独自ドメイン名を気軽に登録できる環境が整ってきています。
【独自ドメイン名とは】
ドメイン名とは、インターネット上の住所のようなもので、人間に馴染みやすいアルファベット、数字、記号などを組み合わせたものです。その中でも個人や会社などが、独自に登録しているドメイン名のことを独自ドメイン名と呼びます。
例:EXAMPLE.com、EXAMPLE.co.jp、EXAMPLE.jpなど
- ※ポイント
ドメイン名の登録とは、ドメイン名そのものの所有という意味合いではなく、一定期間使用する権利の確保という意味合いになります。
【独自ドメイン名のメリット】
独自ドメイン名を登録するメリットは、以下のとおりとなります。
(1)信頼性の証明
ドメイン名を登録すると、登録者や連絡先などの情報がインターネット上に公開されます。登録者の情報が直接公開されない場合でも、取次業者の情報が公開され、最終的に登録者に連絡が取れるようになっています。
(2)スクワッティング(ドメイン占拠)対策
ドメイン名は、基本的に申請順が先の者に優先権がありますので、先に他者に登録されると後から自己の登録は難しくなります。なかには、転売目的で多くのドメイン名が占拠されたままになったり、勝手に別の商売を始められたりしてしまう例もあります。あらかじめ登録しておけば、これらのことを未然に防ぐことも可能です。
(3)意気込みのアピール
個人でも、お小遣い程度で気軽に独自ドメイン名を登録する時代です。ドメインの有無により、意気込みの違いを感じる閲覧者も多いのではないでしょうか。
【ドメイン名の種類】
一般的に登録できるドメイン名には、以下のようにさまざまな種類があります。
(1)全世界の人々が登録できるドメイン名
.com、.net、.org、.info、.bizなど
(2)国別に割りあてられたドメイン名
.co.jp、.ne.jp、.jp、.tv、.ccなど
日本の中小企業であれば、まずは以下のドメイン名の登録を検討してみては、いかがでしょうか。
.co.jp、.jp、.com
【独自ドメイン名の登録方法】
独自ドメイン名の登録は、以下の手順で行います。
(1)文字の検討
JPドメインの場合、使用できる文字などは以下の表1のとおりとなります。
使用できる文字 |
半角英数字(A〜Z,0〜9)、半角のハイフン「-」 |
---|---|
登録できる文字数 |
3文字以上63文字以下 |
- ※ポイント
大文字と小文字の区別はありません。登録するドメイン名により、条件は異なります。
(2)登録可能性の確認
ドメイン名は、基本的に申請順が先の者に優先権がありますので、希望の独自ドメイン名が既に登録されていないかを確認します。この際、WHOIS http://whois.jprs.jp/というホームページ(Webサイト)を使って、希望の独自ドメイン名を検索して確認します。一般的に、独自ドメイン名が登録できるプロバイダでも確認できます。
- ※ポイント
すでに登録されている場合、一般的に登録者の情報が表示されます。
(3)料金
独自ドメイン名の登録および維持には、一般的に登録時に登録費用が、一定期間ごとに維持費用が発生します。
- ※ポイント
価格は、取次業者やキャンペーンなどにより変動します。独自ドメイン名の料金以外に、その独自ドメイン名を実際に活用するためには、別途プロバイダーに支払う使用料が発生します。
(4)登録
独自ドメイン名の登録をする場合、指定事業者経由で登録します。指定事業者とは、独自ドメイン名の登録申請の取り次ぎを行う事業者のことで、多くはプロバイダーのことを指します。一般的に、各プロバイダーのサービスと組み合わせて登録すると、比較的容易に独自ドメイン名を取得できます。
実際に活用するかどうかは別としても、まずは商号に関する独自ドメイン名の登録を検討してみてはいかがでしょうか。少なくともインターネット上で何かしらのビジネスを試みるのであれば、独自ドメイン名の登録は、一度検討すべき事項になると思われます。
最後に、独自ドメイン名の取得に関して、専門家のアドバイスを受けることも一度検討してみてはいかがでしょうか。
- 回答者
-
中小企業診断士 桑原 泰生
参考
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