ビジネスQ&A
海外インターネット販売の際に注意すべきことを教えてください。
キャラクターコンテンツ製品の企画販売を行う会社です。国内販売も軌道に乗ってきたため、今後は海外インターネット販売も考えたいと思っています。まずは何をすればよいでしょうか?
回答
インターネット通販サイトを通じた国際的な電子商取引を、最近では「越境EC」と呼びます。越境ECは「貿易」に該当し、どの国に何を販売するかだけでなく、海外ユーザーに商品を無事届けるまでが重要となります。
インターネットの普及により、海外からのインターネット注文を受けることが容易になってきました。世界の越境EC市場規模は継続的に拡大しており、2018年には3,000億ドルを超える市場になると予測されています。ここでは、このようなビジネスチャンスを前に、注文を受けるサイトの注意点や、注文を受けた場合、海外のお客様にどのように荷物を届けるべきか、などの注意点をまとめます。
【ホームページについて】
注文を受けるホームページについては、自国内向け(母国語)のサイトだけでなく、ターゲットとする外国の言語サイトも設けます。しっかりとしたマーケティングに基づき、ターゲット国やターゲット客を明確化することが重要です。
【国内取引との違いを理解する】
そのほか、海外輸送では荷物を雑に扱われるケースも想定されるため、つぶされない強度の梱包材を使用することなども非常に重要です。
【カントリーリスクを知る】
海外(特に開発途上国)との取引においては、戦争や内乱などの治安悪化、あるいは政治上、輸出入の通関ルールが変更になる、などのリスクがあります。このようなリスクを回避するためには、事前に市場調査を行い、国際情勢や当該国の政治経済情勢・社会動向などを把握しておくとともに、配送会社の配送禁止情報などを常時確認する必要があります。状況によっては貿易保険なども検討するほか、特にハラール(イスラム法で許されたもの)とハラーム(イスラム法で禁止されたもの)については慎重を期した対応が求められます。
このように、越境ECについては専門的な知識と調査が必要ですが、中小企業基盤整備機構では勉強会をはじめ、さまざまな支援を行っています。補助金の支援などもありますので、越境ECを検討されている方は、積極的にこの制度を活用されることをお勧めします。
- 回答者
-
中小企業診断士 小野寺 義明
同じテーマの記事
- 海外輸出をしたいのですが、どのようにすればよいのでしょうか。
- 海外における知的財産権侵害の予防方法について教えてください。
- 海外進出に失敗した企業の失敗原因について教えてください。
- 海外で従業員を定着させるためにはどうするとよいのでしょうか?
- 輸出先の内容や財務内容は、どのように把握したらよいでしょうか?
- 海外展開を検討するためにどのような手順を踏んだらよいでしょうか?
- リスト規制とキャッチオール規制について教えてください。
- 技術指導等の技術提供も安全保障貿易管理の対象になりますか?
- 為替予約の仕組みと留意点について教えてください。
- 海外の方々との会議の際に留意するとよい点を教えてください。
- 輸出に向けたハラール認証の取得方法について教えてください。
- タイ国で海外展開を計画する場合の留意点は何でしょうか?
- 海外インターネット販売の際に注意すべきことを教えてください。
- 越境ECを活用した顧客開拓では、どのような点に注意すればよいですか?
- 海外拠点から上手に撤退するにはどうすれば良いですか?
- 輸出ビジネスを始めようと思いますが、契約はどうしたらいいですか?
- 越境ECを始めたいのですが、関税について注意すべき点を教えてください
- 日本の本社が北米のお客様から注文を受けました。受注した製品は、量産品で、アジア協力会社で当社の設計図面や品質基準に基づいて製造して、日本市場に販売していますが、アジアの製造協力会社から北米のお客様に直接輸出して納入しても問題ないでしょうか?
- 円安下で輸出を行うときの注意点について教えてください。
- 越境ECを行う場合、商品の受け渡しにはどのような方法がありますか。