売上アップの教科書
店内の環境:快適なお店でリピート率をあげる(店舗力4回目)
解説
店内の環境は、お客さまが快適と思える環境にすることが大原則です。そして快適にすることで、(1)お店の中に長時間滞在するようになったり、(2)またお店に来たいと思うようになったり(再来店)、といった効果があります。
快適と感じるかどうかは、人間の感覚によるところが中心となります。いわゆる五感をどのように刺激し、快適と感じてもらうかが重要となります。
「視覚」では、「キレイ、清潔」と思えること、もしくは最低限、「汚い」と思われないことがポイントとなります。店内の施設では、特にトイレで差がつきます。汚くなりがちな場所だからこそ、清潔に保てるかどうかで大きな差が出るわけです。
そのためには、最低でも1日に3回以上は清掃するようにします。さらに、清掃忘れがないように担当者を決め、清掃やトイレットペーパーなどの備品の補充をするとよいでしょう。トイレがキレイという認識になれば、買い物やサービスを利用する用事がなくても、トイレ目的での来店行動が生じ、結果としてついで買いを誘発することが期待できます。
「嗅覚」、「味覚」では、店内で試食を行うことが効果的です。実際に試食をしなかったとしても、肉が焼ける香りやニンニクを炒める香りなど、「おいしいニオイ」だけでも購買意欲を刺激することができます。「触覚」では、店内の温度に気を配りましょう。寒すぎず、暑すぎず、23~25℃程度に保つようにすると、季節を問わず心地よく感じます。
「聴覚」では、店内の音楽や調理をしている音などが対象となります。「お客さまの邪魔になるから」という思いから、音楽を流さない店もありますが、お店のコンセプトや業態に合わせた音楽を選んで流すことで、お客さまを快適にすることができます。
たとえば、スーパーであればアップテンポの曲を流すことで、テンポよく気持ちよく買い物ができますし、CMの曲を流すことで、関連した商品の購買を喚起することもできます。
ただし、これら五感への刺激は過剰になると、快適から不快へと変わりますので、適度な刺激を心掛けるようにしましょう。
プロフィール
亀田 憲 (かめだ けん)
1975年生まれ。中小企業診断士。1998年(株)東急エージェンシー入社。セブン・イレブンのプロモーション企画に携わり、100本以上の販促企画を立案・運営。「セブン・イレブン10,000店企画」で2004年プロモーションアワード受賞。2007年より、ウォルト・ディズニー・ジャパン(株)にて商品開発、広告宣伝のマネジメントに従事。現在は大手スポーツメーカーで、マーケティング全体をマネジメントしている。
診断士としては、月刊「企業診断」での連載ほか、企画立案・ブランド構築を主テーマにセミナー講師としても活動。著書に「お金をかけずにスグできる!販促Q&Aノート」(同友館)がある。
著者コメント:「販促Q&Aノート」では、本連載のチェックシートを基礎力とした販促アイデアを70紹介。(1)1テーマが見開き完結、(2)実行までのステップを丁寧に解説した、買ったその日から行動できるアイデア集です。ぜひ、本連載と合わせてご活用ください。
掲載日:2011年11月29日