売上アップの教科書
外観:人もお店も見た目が大事外観をチェックしよう(店舗力1回目)
解説
お店の外観は人と同じく、そこから伝わってくるイメージや雰囲気が大切になります。高い価格帯のお店であれば、入店前から高級な雰囲気を伝え、比較的低価格な商品が中心のお店であれば、親しみやすいイメージを伝える必要があります。
なぜなら、外観のイメージと品揃え・内装などが合っていない場合は、入店前にお客さまが抱いているイメージと実際の店舗から感じる雰囲気が異なり、居心地が悪くなってしまうからです。結果的には、早々にお店を出てしまうことにもなります。
その前提として、看板は最低限、業種名が書いてあるか、もしくは何を商売としているかが明確になっている必要があります。初めてお店に入るお客さまに対して、「いったい何屋さんなんだろう」という不安感や障害を取り除くことができるからです。
また、看板の文字や色使いなども、お店のイメージや雰囲気に合ったものにするとよいでしょう。お店に入る前から、「何を商売とした、どのような雰囲気のお店であるか」を伝えることができるため、お客さまは安心して入店することができます。
もう1つ、外観で大切な視点があります。外観を通じて、どの時点でお店の情報を「伝えるか」、あるいはお店の情報が「伝わるか」です。
通行客は、お店の目の前に来て初めて入店するかを判断するわけではなく、お店のかなり手前から、店舗の外観から伝わる情報を頼りに、お店に「入る」、「入らない」を考え、判断しています。
そのため、入店する前の段階で、お店の業種や取り扱っているサービス・商品の情報、高級店なのか親しみのあるお店なのか、などの情報を伝える必要があるのです。
建築家の経験則では、「建物の高さの2~3倍離れた場所からだと、建物全体が見える」と言われています。
具体的には、店の外観部分の高さが3mであれば、6~9m手前からであれば、はっきりと見えることになります。さらに、「入る」、「入らない」の判断をする時間を加味すると、約20~50mぐらい手前からは、看板や外観の情報が伝わるのが理想です。
このように、外観は入店前のお客さまとの最初のコミュニケーション媒体となりますので、本チェックシートを活用して、定期的にメンテナンスをしていくとよいでしょう。
プロフィール
亀田 憲 (かめだ けん)
1975年生まれ。中小企業診断士。1998年(株)東急エージェンシー入社。セブン・イレブンのプロモーション企画に携わり、100本以上の販促企画を立案・運営。「セブン・イレブン10,000店企画」で2004年プロモーションアワード受賞。2007年より、ウォルト・ディズニー・ジャパン(株)にて商品開発、広告宣伝のマネジメントに従事。現在は大手スポーツメーカーで、マーケティング全体をマネジメントしている。
診断士としては、月刊「企業診断」での連載ほか、企画立案・ブランド構築を主テーマにセミナー講師としても活動。著書に「お金をかけずにスグできる!販促Q&Aノート」(同友館)がある。
著者コメント:「販促Q&Aノート」では、本連載のチェックシートを基礎力とした販促アイデアを70紹介。(1)1テーマが見開き完結、(2)実行までのステップを丁寧に解説した、買ったその日から行動できるアイデア集です。ぜひ、本連載と合わせてご活用ください。
掲載日:2011年11月 8日