売上アップの教科書

小売 レジ横スペースは「ついで買い」の宝庫(ついで買い1回目)

売上UPの「ついで買い」攻略術

2011年9月16日掲載
文:同友館編集部

レジ横はサイフを開けるタイミング
「レジの待ち時間」を狙って、陳列棚でもう一押しアピールしよう

お店にとってありがたいのが、来店してくださったお客さまが、予定していた商品以外の別の商品も一緒に買ってくれること。だけど、目当ての商品だって買ってもらうのが至難の業なのに、いろんな商品をまとめて買ってもらうなんて「そんなの無理」と思っていませんか?

でも実は、ちょっとした仕掛けや工夫で、複数の商品を買ってもらうことができるのです。

その一つが、「レジ横の陳列棚」。

わかりやすいのが、コンビニやスーパーの例。コンビニでは、必ずレジのところに棚があって、ガムなどが置いてありますよね。スーパーでもレジ横に、羊羹やあられなどのお菓子類、お店によっては、ゴミ袋や乾電池などが置いてあります。

このレジ横陳列棚にある、ガムやお菓子、ゴミ袋。それだけだったらなかなか手にとらないけれど、お昼のお弁当や、夕飯用のキャベツや豚肉を買うときにレジに並んでいると、「つい」手にとって買ってしまいます。
しかもコンビニやスーパーなどでは、この「つい」買ってしまうレジ横商品は、商品単価としては安いものの定価で売れることもあり、結構な売上になっているのです。

このレジ横の陳列棚、買ってしまうポイントは、
(1)ちょうどサイフを開けるタイミングだということ
(2)レジ待ちで、お客さまがちょっと手持ち無沙汰になっていること
にあります。

レジ横の陳列

お客さまがサイフを開けているときは、購買意欲が高まっている瞬間。いつもは固いサイフの紐(お客さまにとってはココロの紐)もゆるんでいます。だから、本当は買う予定がなかったガムやお菓子も、それ自体は値段も高くないことから「あとでおやつに食べよう」と言い訳(?)をするには都合よく、つい買ってしまうのです。

しかも、レジは待たされることも多い。それがどんなに短い時間でも、待つことが好きな人などいませんから、皆、ちょっとした時間でも暇つぶしをしようとします。そこで、POPや商品をレジ横に目に入るように置いておくと、つい読んで(見て)しまい、「あっ、ゴミ袋がなくなりそうだったかも...」と思い出してしまったり、ちょうどココロの紐がゆるんでいるときなので、「買っておくか...」とその商品をカゴに入れてしまったりするのです。

「うちにはレジ横に棚なんてないよ」というお店でも対応は可能です。レジ横に小さなカゴを置くなどすれば、販売スペースは作ることができます。
「そんな場所なんてない」とあきらめる前に、レジ横をもう一度見てみましょう。売上集計用のファイル、発注表や文房具など、お客さまに関係ないものが置かれていませんか?
お客様目線でレジ横を整理整頓してみたら、ついで買いにつながるスペースを作ることができるかもしれません。

さて最後に、レジ横陳列に適した商品の選び方です。「ついで買い」だからと言って、安いものがいいとも限りません。何が適しているかは、あなたのお店がどのようなお客さまをターゲットにしているかで変わってきますが、比較的どのお店にも当てはまる特徴としては、以下のようなものがあげられます。

(1) メイン商品と関連があり、一緒に使うことでメイン商品の価値がより高まるもの
(2) かさばらず、持ち帰りが容易なもの
(3) 複数あっても困らないもの

例えば、ちょっとしたギフトを扱う雑貨店であれば、ギフトに添えられるセンスのよいご祝儀袋や一筆箋。書店では、移動中でも本が読めるプチライトや耳栓。アパレルであれば、シュシュなどの髪飾りを置くのもよいでしょう。
しかも、「髪をまとめるときにお使いください」と書いて試着室に同じものを置いておくと、目に触れる機会が増えるだけでなく、実際に試着してもらうこともできて効果的です。

「うちに来るお客さまは、どんな商品をレジ横に置いたら喜んでくれるかな。」と、お店のスタッフなどと一緒に是非、いろいろ考えてみてください。

掲載日:2011年9月16日