食品事業者必見!知って得する豆知識
知って得する工場管理
2020年 7月 3日
食品工場管理は衛生管理、、生産管理、品質管理、安全管理など、いくつかの管理区分で分類できます。中でも、一番重要な管理は衛生管理です。食品以外の工場管理で普及している5S活動をベースに、2020年6月から施行されるHACCPを導入すると衛生管理に加え、生産管理、品質管理、安全管理を高いレベルで実現できます。
ご存じの方も多いかと思いますが5S活動とは、整理・整頓・清掃・清潔・しつけを意味し、製造業の生産現場における、工場改善の基本となる考え方で、それぞれのローマ字表記の頭文字をとって、5S活動と呼ばれています。
- 整理=不要なモノを捨てる・片付けること
- 整頓=決められた場所へ決められたモノを配置すること
- 清掃=常に掃除をすること
- 清潔=整理・整頓・清掃を維持すること
- しつけ=決められたルールを守る習慣を身につけること
5S活動を通じて工場管理をすることで、製造現場の生産性は向上します。ただし、食品工場では生産性向上のみならず、衛生管理という極めて重要な管理が必要です。
HACCPの実施は「食品衛生法等の一部を改正する法律(平成30年6月13日公布)」に盛り込まれており、2020年6月から本法案は施行され、経過措置期間を経て2021年の6月から義務化が開始します。つまり、食品関連事業者は遅くとも2021年の6月までにHACCPによる衛生管理制度の導入を行わなければなりません。
HACCPはHazard Analysis and Critical Control Point のそれぞれの頭文字をとった略称で、「危害要因分析重要管理点」と訳されています。
HACCPは「7原則12手順」という手順に従って導入をすすめます。
5S活動で工場管理ができていれば導入がスムーズにいくことは想像できると思います。
ここからは、生産管理、品質管理、安全管理について説明します。
〇生産管理
計画した通りに製造がきちんと進行しているかを常に把握し的確な指示を行うこと、計画通りにいっていない部分はどのように修正していくかを考え、その都度解決策を講じていきます。
〇品質管理
製品の品質基準を設定し、製造した製品はその品質を保てるよう維持管理していきます。具体的には、自社で製造している商品が「一定の品質をきちんと保っているか」をチェックし、問題がある場合は、原因を突き止め解決策を講じていきます。
〇安全管理
安全管理は、従業員の安全を守りつつ製品を製造できるようにマネジメントすることです。
効率を重視しすぎるあまり作業員に危険な作業が負荷されていないか、それによって事故につながるような事態になっていないかを管理し、対策を行っていきます。
HACCPは危害要因分析の実施や重要管理点の決定を伴いますのでHACCPの導入プロセスで生産管理、品質管理、安全管理に関して基準設定や確認が可能です。
食品工場管理は5S活動をベースにHACCPの考え方で運用することが、一番合理的かつ高いレベルの管理が実現できます。
- 解説者
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中小企業基盤整備機構 チーフアドバイザー 籾山 朋輝