ビジネスQ&A
取締役会はどれくらいの頻度で開けばよいのでしょうか?
株式会社を設立しました。取締役会は、どれくらいの頻度で行えばよいのでしょうか?1年に一度で構いませんか?
回答
取締役会の設置は公開会社では強制されますが、非公開会社(譲渡制限会社)では原則として任意に設置することができます。取締役会設置会社の場合、取締役会は最低3カ月に1回開催し、議事録を作成する必要があります。1年に1回ではなく、少なくとも、1年に4回は開催しなくてはいけません。
非公開会社(すべての株式について譲渡制限のある会社)では、原則として取締役会の設置は任意です。一方、公開会社では取締役会を必ず設置しなければなりません。取締役会を設置する場合、最低、取締役3人が必要となります。また、取締役会はすべての取締役によって組織されます(会社法362条)。さらに、取締役会を設置すると、原則として監査役(会)などを設けなければなりません(ただし、非公開会社の場合は、会計参与でも可能です)。
【取締役会非設置会社】
取締役会を設置しない場合は、株主総会の権限が強くなり、決議事項が増えることとなります。逆に、取締役会を設置する場合には、株主総会の権限が弱くなり、会社法で定める特別な重要項目と、定款で定めている事項しか決議することができません。会社法により、少数株主の権限が強化されました。たとえば、総株主の議決権の3%以上の株主には、取締役などの解任請求権(第854条、第479条)、総会招集権(第297条)、帳簿閲覧権(第433条)などがあります。
【取締役会設置会社】
取締役会は、取締役会設置会社の業務執行の決定、取締役の職務の執行の監督、代表取締役の選定および解職を行います(会社法362条第2項)。
取締役会を設置する会社(取締役会設置会社)は、これまでの制度と同様に、取締役会を3ヵ月に1回以上、つまり年4回以上開催しなければならないことが定められています(会社法363条2項)。一方、非公開会社については、原則として取締役会の設置は強制されず、取締役の人数も1人でもよいことになっています(会社法326条1項)。取締役会を設置しなかった場合は、当然、取締役会の回数の制限も受けないことになります。
取締役会の招集は、各取締役が行うことができます。ただし、取締役会を招集する取締役を定款または取締役会で定めている場合は、その取締役が招集します(会社法366条)。ただし、監査役設置会社および委員会設置会社をのぞく取締役会設置会社の株主は、取締役が取締役会設置会社の目的の範囲外の行為、その他法令もしくは定款に違反する行為を行い、または、これらの行為をするおそれがあると認められる場合は、取締役会の招集を請求することが可能です。
取締役会を招集する者は、取締役会の1週間前(これを下回る期間を定款で定めた場合はその期間)に、各取締役に対してその通知を行う必要があります(第368条)。また、取締役の全員の同意がある場合には、招集の手続きを省略することができます(第368条第2項)。その取締役会の決議は、議決に加わることができる取締役の過半数(定款の定めでこれを上回ることができます)が出席し、その過半数(定款の定めでこれを上回ることができます)で行います(第369条)。決議に関し、特別の利害関係にある取締役は、議決に参加することができません(第369条第2項)。
取締役会設置会社においては、(1)取締役が取締役会の決議事項について提案をした場合において、(2)当該提案について議決に加わることができる取締役の全員が同意の意思表示を行い、(3)監査役設置会社においては監査役が当該提案について異議を述べず、(4)対応する定款の定めがある場合には、当該提案を可決する旨の取締役会決議があったものとみなすことができます(会社法370条)。
取締役会設置会社は、取締役会の日から10年間、議事録など(書面もしくは電磁的記録)を本店に備えおかなければなりません(第371条)。
したがって、まず、ご自身が経営されている会社の定款に株式譲渡制限があるのかないのか、取締役が何人いるのか、などをご確認いただき、取締役会を設置する会社(会社法911条3項15号)に該当するかどうかを確認することが必要です。
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