ビジネスQ&A
異業種交流会の特徴と参加方法について教えてください。
異業種交流会という言葉をよく耳にしますが、どのようなもので、どのようにすれば参加できますか。特徴などを教えてください。
回答
異業種交流会とは、業種を超えた企業などと交流を行うもので、自社の経営資源の不足を補う企業と出会う場でもあります。異業種交流会から共同開発が始まって成功した例もたくさんあります。まずは中小企業支援センターなどで情報を収集して、積極的に参加するとよいでしょう。
異業種交流は、昭和50年代より初期段階の「交流」にはじまり、新たな製品・技術やサービスを生み出すための「研究開発」を経て、「事業化(試作)から販売(量産)」へと進んだ例は多くあります。とくに、昭和63年(1988年)に「異分野中小企業者の知識の融合による新分野開拓の促進に関する臨時措置法」が施行されてから活発な活動になり、現在3,000グループあまりが活動していると言われています。
異業種交流とは、その名のとおり、自社の業種を超えた企業・グループとの交流を行うもので、交流を通じて自社の不足する経営資源を補う事業連携などにつなげ、自社の経営革新を果たすための一つの手段ともなり得るものです。
【異業種交流会で行うこと】
異業種交流会では、主に次のような活動が行われています。
(1)交流
その名のとおり、人的交流、情報交換です。人的交流、情報交換といっても、そのやり方はさまざまです。たとえば、会場を借りて定例会を開き、発表会のように行う形もあれば、飲食をしながら歓談する形式もあります。まずは、コミュニケーションを図って、相手がどのような人物、企業かを見ることが重要です。
(2)新商品開発・共同事業
自社の得意分野と相手の得意分野を融合して、新たな新商品開発(技術・サービスを含む)を行っている団体もあります。また、共同受発注、展示、販売などの共同事業を行っている団体もあります。これが発展して、事業協同組合などを結成する例もあります。このような活動に発展させるためには、交流を通じて相手企業をよく理解することが重要です。
【参加方法】
参加方法は、自ら異業種交流会の情報を収集して、交流会があったら積極的に参加することから始まります。また、地元の商工会・商工会議所や都道府県等中小企業支援センター、地域中小企業支援センターで情報提供をしております。
【異業種交流会参加の効果】
異業種交流会の効果として、補完効果と相乗効果があげられます。つまり、異なる企業が技術・情報・ノウハウといったソフトな経営資源をもち寄って交流し、結びつくことで、不足する経営資源の補完や、相乗効果による経営資源の質的向上により、総合的な経営力の強化を図ることが可能となります。たとえば、
- 公設試験研究機関主催の異業種交流会で、中小企業数社と公設試験研究機関の研究員とが共同開発をした新製品が収益向上に役立った事例
- 異業種交流会から産学連携に発展し、大学側と共同で試験開発する過程において、自社の技術向上を果たした事例
- 一企業では無理でも複数の企業が集まることで、第一線で活躍する経営者やコンサルタントを招聘して講演会の開催、優良企業の工場見学会の開催を実現し、会員の経営者同士が交流し合い、そこで学んだことを自社の経営に活かしている事例
などがあります。下記関連情報のURLから事例をご覧いただくと、よりイメージがしやすいと思います。
【留意点】
異業種交流会は、自分が情報を得ようと受け身でいるだけでは成り立ちません。自ら情報発信することが重要です。これはどのような交流会でも言えることですが、ギブ・アンド・テイクが大切です。自分の利益だけを考えるのではなく、他人のために自分がどのような貢献ができるかということも念頭において参加されることが必要です。
- 回答者
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中小企業政策研究会