RoHS指令の基礎
米カリフォルニア版RoHS-RoHS指令の基礎
2021年 12月 内容改訂
米国での電気・電子機器のリサイクルと有害物質規制は、連邦レベルではまだ法律は制定されていませんが、州レベルで進められています。その中で、カリフォルニア州で「2003年電子機器廃棄物リサイクル法(Electronic Waste Recycling Act of 2003=EWRA)」が制定され、重金属類の規制がCalifornia版RoHS法として2007年1月1日から施行されました。
適用範囲
「4インチ以上のスクリーンを含んだビデオディスプレイ機器」と定義される電子機器にのみに適用され、EU RoHS(I)指令と同じ重金属を基準以上含有する場合は、販売が禁止されています。適用される電子機器類は次の製品群です。
- Cathode Ray Tube containing devices(CRT devices)[ブラウン管機器]
- Cathode Ray Tubes(CRTs)[ブラウン管]
- Computer monitors containing cathode ray tubes[ブラウン管付きコンピュータモニター]
- Laptop computers with liquid crystal display(LCD)[液晶ディスプレイ表示付ラップトップコンピュータ]
- LCD containing desktop[デスクトップ液晶ディスプレイ]
- Televisions containing cathode ray tubes[ブラウン管テレビジョン]
- Televisions containing liquid crystal display(LCD)screens[液晶ディスプレイスクリーンテレビジョン]
- Plasma televisions[プラズマテレビジョン]
- Portable DVD players with liquid crystal display(LCD)screens[液晶ディスプレイスクリーン付携帯DVDプレイヤー]
ただし、以下の用途は適用されません。
(A) 自動車車両の一部であるビデオ表示装置
(B) 監視装置または制御機器を含む産業機器、商業機器、または医療機器の一部に含まれるビデオ表示装置
(C)衣類洗浄機、衣類乾燥機、冷蔵庫、冷蔵庫、冷凍庫、電子レンジ、従来のオーブンまたはレンジ、食器洗い機、室内エアコン、除湿機、または空気清浄機に含まれるビデオ表示装置
規制対象物質
鉛、水銀、カドミウム、六価クロムの4種の重金属の使用が制限されています。
最大許容濃度はEU RoHS指令と同じくカドミウム0.01wt%、そのほかは0.1wt%です。また、EU RoHS指令での適用除外項目が、そのまま当該California版RoHS法の適用対象電子機器に適用されます。
PBDEは、HEALTH AND SAFETY CODE 108921により、0.1wt%以上の含有が禁止されています。
PBBは、1976年に製造が中止され、連邦法のTSCAのSNURの対象物質で、使用には届出が必要です。事実上の使用禁止です。
対象電子機器廃棄物再生手数料
WEEE指令に類似した既定もあります。、2020年10月に改正が行われました。
電気電子機器に使用されている水銀、カドミウム、鉛、六価クロム(それらの合金および化合物を含む)、PBB類、およびそれらのすべての構成部品について、製品カテゴリー別に推定される平均量(ミリグラム)を当局に報告しなければなりません。
新規または改修された対象電子デバイスの購入時に消費者が支払う対象電子廃棄物リサイクル料金は、以下の金額とする:
(a) 2020年1月1日以降、対角線上で測定したスクリーンサイズが15インチ未満は4ドル。
(b) 2020年1月1日以降、対角線上で測定したスクリーンサイズが15インチ以上35インチ未満は5ドル
(c) 2020年1月1日以降、対角線上で測定した35インチ以上は6ドル
当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。
情報提供:一般社団法人 東京環境経営研究所