市場調査データ
喫茶店(2013年版)
従来型の喫茶店は、セルフサービス型のコーヒーショップ等に顧客を奪われつつあるが、未だ女性を中心に根強い人気を保っている。以下では、喫茶店についての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査を元に探っていく。
1. 現在の利用状況
現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で68%、男性66%、女性70%となっており、女性の方が男性よりも利用率が高い(表1、図1)。年代・性別に見て利用率が高いのは20代女性(77%)と60代女性(76%)であり、逆に利用率が低いのは20代男性(61%)と30代男性(63%)となっている。
表1 現在の利用状況
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図1 現在の利用状況
利用頻度は、30代以上では概ね男性の方が女性よりも高い(図2)。利用頻度が比較的高いのは、30代男性であり、30代男性利用経験者の51%が月に1回以上利用し、25%が週に1回以上利用している。なお、週に1回以上利用するユーザーは、30代男性利用経験者の25%、40代男性利用経験者の19%、50代男性利用経験者の20%、60代男性利用経験者の19%となっている。
図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
1回あたり利用金額のボリュームゾーンは、全体で400~600円未満の範囲であると考えられる(図3)。利用経験者全体の40%が1回に400~600円未満の範囲内で利用し、60%が1回に300~700円未満の範囲内で利用していることになる。
また、女性の方が男性よりも1回あたり利用金額が高い。1回あたり利用金額が比較的高いのは30代女性であり、彼女らの利用経験者の55%が1回に600円以上を使い、41%が1回に700円以上を使っている。
図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
2. 今後の利用意向
「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全ての年代で女性の方が男性よりも高く、全年代の女性で50%を超えている(表2、図4)。
喫茶店の利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は極めて高く、全ての年代・性別で80%を超えている。
表2 今後の利用意向
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図4 今後の利用意向
積極的潜在需要(積極的利用意向-利用率)は、既に高い利用率を背景に、全ての年代・性別でマイナスとなっている(図5)。
喫茶店の利用に否定的な意向を持たない層をも加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、全ての年代・性別でプラスとなっており、50代男性と60代女性以外で、未だ大きな潜在需要が存在すると考えられる。
現在の高い利用率を維持しつつ、喫茶店の利用に中立的な人たちの関心をいかに喚起し、具体的なニーズに結び付けていくかが、今後の成功の鍵と言えるだろう。
図5 潜在需要
※公益財団法人 食の安全・安心財団資料によると、喫茶店市場規模は、2009年に1兆45億円だったものが2012年には1兆197億円と、わずかに拡大している。本レポートのアンケート調査は2009年に行われたものであるが、現在の利用状況も傾向として若干上がっているとも考えられる。
(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)
調査概要
- 調査期間:
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2009年6月25日~7月9日
- 調査対象:
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株式会社ベンチャー・リンク 消費者モニター組織「コンシューマー・アイズ」のモニター会員、全国20代~60代男女(有効回答数:1192人)
- 調査方法:
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インターネットによるアンケート調査
最終内容確認日2013年9月