市場調査データ
ペットショップ(2013年版)
内閣府「動物愛護に関する世論調査(2003年調査、2009年末時点最新)」によると全世帯の36.6%がペットを飼っている。これらの世帯がペットショップのターゲット顧客になると考えられる。以下では、ペットショップについての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査を元に探っていく。
1. 現在の利用状況
現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で19%となっている(表1、図1)。内閣府「動物愛護に関する世論調査」結果と併せて考えると、ペット保有世帯の約半数が、ペットショップを「よく利用している」か「たまに利用している」と推測できる。
利用率が最も高いのは、50代男性(27%)であるが、「よく利用している」と答えたのは、20代女性(8%)が最も多い。
また、「利用経験あるが、現在利用していない」人の割合が利用率と比べると多く、リピーターが定着しにくい様子もうかがえる。
表1 現在の利用状況
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図1 現在の利用状況
利用頻度に関しては、全体で、「3年に1回未満(27%)」や「2~3カ月に1回(19%)」の利用者が多い(図2)。利用率が最も高い50代男性では、「月に1回(23%)」の利用が最も多くなっている。一方、20代女性では、利用経験者の18%が「月に2~3回以上」の頻度で利用している。
図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
1回あたり利用金額のボリュームゾーンは、全体で、1000~1200円未満の範囲であると考えられる(図3)。利用経験者全体のうち14%が1回に1000~1200円を使い、41%が1回に700~1500円を使っている。
1回に1万円以上を使うユーザーも利用経験者全体の11%ほど存在している。
図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
2. 今後の利用意向
「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、利用率と同じく50代男性(30%)で最も高い(表2、図4)。
ペットショップの利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、比較的若い年代で高く、とくに20代・30代女性と30代男性では60%を超えている。
表2 今後の利用意向
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図4 今後の利用意向
積極的潜在需要(積極的利用意向-利用率)は、40代男性と60代女性以外では、全ての年代・性別でプラスとなっている(図5)。とくに20代男性の積極的潜在需要は大きいと考えられる。
ペットショップの利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、男女ともに、若い年代であるほど大きいと考えられる。
50代男性の高い利用率を維持し、全体的にリピート率を向上させつつ、20代・30代男女をはじめとした若い層の関心をいかに喚起し、具体的なニーズに結び付けていくかが、今後の成功の鍵と言えるだろう。
図5 潜在需要
※一般社団法人ペットフード協会「全国犬・猫飼育実態調査 結果」によれば、国内の犬・猫の推計飼育頭数は、2009年で2,234万頭、2012年で2,128万頭と、わずかではあるが減少している。本レポートのアンケート調査は2009年に行われたものであるが、現在の利用率等は傾向として若干下がっているとも考えられる。
(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)
調査概要
- 調査期間:
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2009年11月13日~11月27日
- 調査対象:
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調査対象:株式会社ベンチャー・リンク 消費者モニター組織「コンシューマー・アイズ」のモニター会員、全国20代~60代男女(有効回答数:1287人)
- 調査方法:
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インターネットによるアンケート調査
最終内容確認日2013年9月