市場調査データ
書店(2009年版)
インターネットによる情報収集および書籍購入、コンビニエンスストアでの雑誌やコミックの購入など、書店の経営環境は大きく変化している。以下では、書店についての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査を元に探っていく。
1. 現在の利用状況
現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で91%、男性が90%、女性が93%となっており、男女とも極めて高い(表1、図1)。年代・性別に利用率を見ると、20代~50代では女性の方が高く、60代では男性の方が高い。
利用率が最も高いのは20代女性(95%)であり、次いで40代・50代女性(94%)、30代女性(93%)の利用率が高い。
表1 現在の利用状況
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図1 現在の利用状況
利用頻度は、全体で「2~3カ月に1回」から「週に1回」までほぼ均等に分布している(図2)。
利用頻度が比較的高いのは、20代女性と30代・40代男女であり、たとえば20代女性では、利用経験者の51%が月に2~3回以上利用し、27%が週に1回以上利用している。
図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
1回あたり利用金額のボリュームゾーンは、全体で700~1000円未満の範囲であると考えられる(図3)。利用経験者全体の25%が700~1000円未満の範囲内で利用し、56%が500~1200円未満の範囲内で利用している。
1回あたり利用金額が比較的高いのは、60代男性であり、60代男性利用経験者の68%が1回に1000円以上を使い、15%が1回に2000円以上を使い、8%が1回に3000円以上を使っている。
図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
2. 今後の利用意向
「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全ての年代で、女性の方が男性よりも高い(表2、図4)。とくに30代~50代の女性の利用意向が高く、いずれも利用意向は80%以上に達している。
書店の利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は極めて高く、全ての年代・性別で利用意向は90%以上である。
表2 今後の利用意向
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図4 今後の利用意向
積極的潜在需要(積極的利用意向-利用率)は、高い利用率を背景に、全ての年代・性別でマイナスとなっている(図5)。
書店の利用に否定的な意向を持たない層をも加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、既に高い利用率を背景に、全ての年代・性別ともに小さい。
現在の高い利用率を維持しながら、利用者の利用機会・利用頻度そして客単価をいかに向上させていくかが、今後の成功の鍵だと言える。
図5 潜在需要
※スマートフォンなどの普及で様々な情報がインターネットを介して無料で簡単に入手できるようになった。総務省統計局「家計調査(総世帯調査)」によると、家計1世帯が書籍・雑誌等(中古を含む)にかける年間支出金額平均は、2009年に14,578円だったものが2012年には13,344円へと減少している。本レポートのアンケート調査は2009年に行われたものであるが、現在の利用率等も若干下がっているとも考えられる。
(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)
調査概要
- 調査期間:
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2009年6月25日~7月9日
- 調査対象:
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調査対象:株式会社ベンチャー・リンク 消費者モニター組織「コンシューマー・アイズ」のモニター会員、全国20代~60代男女(有効回答数:1192人)
- 調査方法:
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インターネットによるアンケート調査
最終内容確認日2013年9月