高校生と仕事の出会いをつくる、高校生向け就活支援【株式会社アッテミー】

1．ビジネスの特徴

●誰に

就職を希望する高校生と、高校新卒者を採用したい企業に。

●何を

相談・助言と最適なマッチング情報を。

●どのように

セミナーやインターネットを介して提供する。

高卒就職を目指す高校生が職業選択する力、定着して働ける力を在学中に身に着けるためインターンシップ、職場見学ツアー、社会人の話を聞く会、キャリアに関する授業等のプログラムを高校へ提供。高校生を採用する企業へもマッチング情報を提供する。柱となる事業は、高校生や企業向けのコンサル事業と、高校生の就職マッチングサイトの運営。現在はコンサル事業が多いが、今後はマッチングサイトを拡充していく方針。

2．起業のきっかけ

名古屋市の公立高校1年生の英語の授業。事前にテキストと参考書が渡され予習して来なさいと言われて授業に臨んだら、テキストの問いを生徒が順番に答えていく単なる答え合わせだった。この授業は何のためにやるのだろう。大学入試センター試験でいい点とるため？センターでいい点取るのは有名大学に進学して就職活動の選択肢を広げるため？でも大学って、将来こんな人になりたいから、こんな学問をこういう教授から学ぶ、それが本当じゃないか、それをアドバイスできる人が学校にいてくれたらいいのにと思った。このとき高校の授業のあり方に疑問を抱き、その想いをずっと持ち続けてきた。

3．起業までの道のり

2009年、東京の私立大学卒業後、ビジネスの実際を経験したいと楽天に入社した。3年間、ネットショップのオーナーを相手に仕事に没頭し、中卒でも売り上げを伸ばす人たちを見て、ビジネスは学歴じゃないことを痛感する。これからの時代、多様な働き方や生き方が生まれていくだろう。これを高校生のうちに知っていたら進路や就職先選び、大学進学後の過ごし方が変わったのではないか、できれば学校の中に入って先生や保護者、高校生の課題を体感したいと思い始めた。やがて、公立高校で進路指導を行う大阪労働協会の年間契約求人をネットで見つけ、2013年に入職。大阪府内の農業高校に勤務する。契約期間終了とともに高卒就業を希望する高校生の就職サポートを行う「educo」を2014年に設立。引き続き高校のなかで社会人講師による「社会人の話を聴く会」を実施したり、インターンシップを手配したり、30分で就職活動を考える「キャリ部」というプチ部活動をしたりと、高校生の就活支援に向けた試行錯誤を重ねた。

4．最初のお客さんを獲得するまで

2018年夏、大阪市内のセミナールームで高卒採用に関する企業向けセミナーを開催した。当時は自社HPもなく単に高卒就職に関する自分の思いをブログで発信していただけなのに6社の参加を得た。その中の一人、大阪の運送会社の方が「あなたのブログに企業はいつ学校を訪問して求人情報を届けるべきか、その求人情報はいつ高校生に手渡されるかなど、高校の中にいないとわかり得ないことが書いてあった。その通り実践したら採用実績につながった」と言われた。やったと思った。高校生の就職活動支援は絶対にニーズがあると思っていたが、この言葉で確証を得た。そのセミナー代金は確か5000円。それが事業で対価を得た最初だった。

5．今後の展開

それからはとんとん拍子に仕事が増えた。19年に資本金100万円でアッテミーを設立。日本能率協会が声をかけてくれて、セミナー告知をしたら、定員40人が一気に埋まり、追加実施をした。すると今度は大阪中小企業投資育成会社から会員企業向けにセミナーをしてほしいとオファーがあった。18年度は大阪のほか博多と岡山で実施し、今年度も各地でセミナーを展開している。高校生の就職に関する現場情報を熟知したうえで真摯に情報発信をしているのが当社の強みだ。コンサルタント業は順調だが、今後はマッチングサイト事業にも本腰を入れる。現在の売上高は約900万円。なんとか1000万円を達成したい。