起業の先人に学ぶ
「オリーブポップコーン」オシャレでバラエティ豊かなポップコーン
ポップコーンというと、映画館やテーマパークなどで販売しているスナック菓子というイメージを持つ人が大半だろう。そんな従来のイメージをがらりと変える新しいポップコーンが登場した。オリーブポップコーンが製造・販売する「パロミータス」だ。
株式会社オリーブポップコーン 代表取締役 藤原里奈(ふじわら・りな)
九州、山口で放送 KBC九州朝日放送旅番組 「るり色の砂時計」。7代目ナビゲーター(平成18年10月~平成21年4月)。TVCM リョーユーパン(平成20年4月~現在)。平成21年8月全国公開映画ぼくとママの黄色い自転車 出演。平成22年5月~現在ジュエリーブランド ビジュソフィアイメージモデル。
40種類の味のバリエーション
スペイン語で、ポップコーンを意味する「パロミータス」は、いわば"ハイエンド"のポップコーン。京抹茶味、白苺味などのスイーツ系から、ブラックペッパー、わさびチーズといったグルメ系まで約40種類の味があり、スナック菓子というよりも、スイーツといった感じだ。パッケージも、紫やオレンジのカラフルな色遣いが目を引くおしゃれなデザインで、価格も1袋420円から1050円と、従来のポップコーンに比べかなり高めだ。
「パロミータス」を製造・販売するオリーブポップコーンは、2011年12月設立のベンチャー企業。社長の藤原里奈氏は、もともとテレビ番組のナビゲーターやモデルなどをしていたが、「パロミータス」の事業を展開するために、起業した。
藤原氏がこの事業を始めたキッカケは、スペイン旅行だった。「普通に売られているポップコーンを見て驚きました。味の種類が豊富なうえ、パッケージもオシャレで、食べるのが楽しくなるようなポップコーンだったからです。こんなポップコーンは日本にはありませんから、これを作って日本で販売したら、人気が出るんじゃないかと考え、起業することにしたのです」(藤原氏)。
一粒一粒にしっかり味をつける技術を開発
商品を開発するに当たり、藤原氏は商品の質にこだわった。「アールグレイミルクティー味の商品は、茶葉を選ぶだけに半年かけました。また油は、オリーブオイルやバターなど上質なものを使っています」(藤原氏)。
さらに、味の付け方も重視した。従来の日本のポップコーンは、味の付き具合にむらがあるが、一粒一粒にしっかり味を付けたいと考えた藤原氏は、ポップコーンにからめる飴の開発から始めた。「料理に詳しい友人や食品会社の知り合い、学校の化学の先生にまで電話をして、理想的な飴の作り方を研究しました」(藤原氏)。一方、グルメ系の商品は、スパイスの会社と協力しながら、ポップコーンに合う味を開発したり、調味料のまぶし方を工夫したりした。
パッケージにもこだわった。「オシャレな商品にしたかったので、パッケージのデザインもカラフルにし、サイズもあまり大きくせず、開封後も、しけないようにチャック付きの袋にしました」(藤原氏)。
販売開始は2012年4月。当初はオンラインショップと、高級食料品店のDEAN & DELUCAへの卸し、期間限定の催事での販売が中心だったが、人気が出たことから、2012年10月に東京・銀座の百貨店「プランタン銀座」、2013年2月に東京・舞浜の商業施設「イクスピアリ」にそれぞれ常設売場を持てるようになった。これに伴い、販売量も急速に増加、需要に供給が追い付かない状態になったことから、台東区浅草の工場の生産力を増強した。
幅広い層に人気。将来は、FC展開も
一番人気の商品は、アールグレーミルクティーとバジルトマトだ。顧客は若い層が中心だが、プランタンは銀座という場所柄、マダム層が多く、イクスピアリは観光地の商業施設ということもあり、ファミリー客が多いという。京抹茶味やセサミ味などは年配者にも人気が高いそうだ。
これまでとくに広告・宣伝はしなかったが、TVや雑誌などで相次いで採り上げられた結果、話題となり、注目が集まっているという。しかし、こうした状況に浮足立つつもりはないと、藤原氏は言う。「一過性のブームではなく、息の長い商品として支持され、ポップコーン=パロミータスと思ってもらえるようになることが目標です。そのために、商品の質をしっかりと維持するとともに、お客様に飽きられないよう、常に新商品を開発していくつもりです」(藤原氏)。
また、将来の目標は、FC展開することだという。
「ポテンシャルのある若い女性が、低資金、小スペースで始められるFC展開を考えています。独立志向のある若い女性は沢山いると思いますが、何をすればいいのかわからない方も多いと思うので、環境を提供したい」(藤原氏)。
企業データ
- 企業名
- 株式会社オリーブポップコーン
- Webサイト
- 従業員数
- 4人
- 所在地
- 東京都台東区浅草4-1-2
- Tel
- 03-5603-8021
掲載日:2013年6月4日