起業の先人に学ぶ

確かな英語とビジネス作法を学ぶ新英語学習システム【Global People Association】

正しい英文を丸暗記することで英文の読み書きを習得すれば、話せるようになる。200人とチャットができるシステムを採用した新学習システムで、グローバル化時代に活躍できる人材を育成。

GPA(Global People Association)代表 奥谷啓介(おくたにけいすけ)
国際ホピタリティー・インダストリー・スペシャリスト。1960年東京生まれ、ニューヨーク在住。20年以上にわたる海外ホテル勤務の経験から国際文化比較について執筆および講演活動を行なう。世界のホテルに詳しいコメンテーターとしてマスコミでも活躍中。著書に「世界最高のホテルプラザでの10年間」、「海外旅行が変わるホテルの常識」、「サービス発展途上国日本」がある。

日本のホテル経営に危機感

新しいコンセプトの英語学習システムをスタートさせた、奥谷啓介氏

──このビジネスを始めた理由をお聞かせください。

ニューヨークのホテルで働いたあと日本に帰って、ホテルで働いている人たちと話したり、日本のホテルのやり方をよく見ているのですが、ものすごく遅れてるんですね。日本のやり方ではもう儲からないのは一目瞭然。日本の文化がビジネスの邪魔をしてしまうんです。お客さまを大事にしすぎて、働いている人の時間が無駄に費やされていく。

アメリカでは法律が身近にあるから、お客様は神様になろうと思っても法律が邪魔をしてそれをさせないんですが、日本の場合は法律が身近にないから、お客さまはいくらでも神様になれる。日本ではお客さまが悪くてもホテルが悪いことになってしまうこともしばしば。これでは儲かるわけがない。儲からなければ給料は上がらない。しかも労働時間は長い。日本のホテル業界は、10人入ったら10年後には一人しか残っていないという業界なんです。

日本の優良ホテルはアメリカやシンガポールのホテルチェーンに買収されています。これからは、中国やインドの企業にも買収されるようになるでしょう。外国のオーナーに変わると、社内の公用語がいきなり英語に変わります。そうなって慌てて英語を学び始めてももう無理なんです。それで日本人従業員が辞めさせられていく。そういうことがホテルチェーンで起こっています。

今までは日本の中だけで競争していればよかった。でも、これからは外国企業がどんどん入ってくる。そうなると、ホテル業界で起きているように、トップエグゼクティブは外国人で、その下で英語が話せない日本人が安い給料で働かされるということが起きてきます。

それはグローバル化の流れで、ある程度仕方がないかもしれない。それでも日本人がトップエグゼクティブに入れればいいわけです。でも、今のままでは入れない。この状態を少しでも良くするために、たとえそういう状態が起こったとしても、英語の能力も含めて、外国人に対する接し方、交渉の仕方を身につけた人材を育てたいと思ったのです。

200人とチャットができるネットコムを英語学習システムに応用

──どのような学習法ですか。

国立研究所が開発したNetcommonsを使って、GPA(Global People Association)という英語学習サイトを立ち上げました。Netcommonsを使うと100人でも200人でも同時にチャットができ、アプリをダウンロードしたりする必要もなく、スカイプも使えます。それを使った初めてのモデルとして、私が英語教育を行なうことになりました。

レッスンのスケジュールが決まっているので、その時間になったら、GPAにログインして視聴してもらいます。いわば遠隔レッスンです。たとえレッスンですべて習得できなくても、レッスンの記録は残っているので、あとでプリントアウトすることもできます。

奥谷氏は、この本のビジネス文書を丸暗記することで英語力をつけた

私はある程度英語はできたつもりでしたが、29歳で外国に出てからすごく苦労しました。そこで私がしたことは、ビジネス文法手紙辞典の丸暗記。全部で126の例文を丸暗記したんですが、50くらい丸暗記したところで、かなり英語が書けるようになりました。よく、みんな自分が書いた英語が正しいかどうかわからないと言うんですが、丸暗記していけば間違えません。そのやり方を取り入れました。

90分のレッスンで、まず、日本と違うアメリカの文化的なことを日本語で書いていきます。アメリカの文化はこんなものだということを理解してもらったところで、今度はそれを英語に直しながら、英語に直していくコツを教えていきます。それに最初の45分間を当てて、後半では日本語の手紙文を英語に直していきます。そこでも、コツを教える。たとえば、日本語は主語がないことが多いですが、英語の場合は必ず主語が必要なので、英文をつくる場合は、何が主語か探さなければならない。それがわからない人もけっこう多いんです。

正しく書ければ話せるようになる

──どのくらいで効果が出ますか。

レッスンで習った例文を40マスターしたら、英文はかなりすらすら書けるようになります。10週間で40の文章がマスターできるので、10週間一生懸命やっていけば、かなり書けて話せるようになります。

書くセンテンスの方が話すセンテンスよりも長いので、すらすら書けるようになったら、話すこともできるようになります。実は書くより話す方が簡単なんです。あとは耳の問題。残念ながら、このレッスンでは習得できません。ヒアリングは自分でテープを買ってきて時間のあるときに聞くのがいちばんです。

──どういう人が対象ですか。

生徒は外資系で働いている人、駐在員、主婦、受験生など。受験勉強にすごくいいので、受験生にこれから広がっていくと思います。2010年11月にスタートしましたが、PRは何もしていないので、12月現在、生徒は8人。まだ人数が少ないので、チャット機能を生かして質問などにも答える双方向授業になっています。

──授業料はいくらですか。

レッスンは90分で、1週間に4回。授業料は1カ月9000円。3カ月以上まとめて申し込むと1カ月8000円になります。

──システムの構築費はどのくらいかかりましたか。

GPAのプロジェクトチームがNetcommonsを使ってこの学習サイトを構築して、私がレッスンを行ない、利益をプロジェクトチームを配分するというかたちなので、サイトの開発費用は発生していません。

──今後の目標をお聞かせください。

売り上げ目標は特にありませんが、生徒数を200人くらいに増やしたいですね。今のサーバーでは200人が限度ですが、もっと容量の大きいサーバーにすれば、もっと大人数にも対応できます。学校とのタイアップも考えていています。学生にひとつのカリキュラムとして取ってもらえるように。

企業データ

企業名
GPA(Global People Association)
代表者
奥谷啓介

掲載日:2011年8月23日