「ナチュラルリンク」女性と企業を元気にしたい！

——御社の事業の概要を教えてください。

大きく分けて、企業向けと働く女性個人向けのふたつの事業があります。企業向けのサービスは、女性社員研修ですが、一般的な集合研修ではなく、経営者と一緒に、女性社員一人ひとりを細やかにフォローしながら戦力化していくというコンサルティング的なサービスです。

もうひとつは、将来、家庭を持っても仕事を続けたいという女性向けに、両立している先輩女性との交流から関連情報の提供まで行う両立準備講座の「ハッピーウーマンズカレッジ（ハピカレ）」です。

——起業のキッカケを教えてください。

起業する前は教育研修サービスの会社で営業をしており、担当していた会社の社長のひと言がキッカケでした。当時、私は漠然と起業したいとは思っていたものの、とりたてて準備をしていたわけではありませんでした。そんな時、その社長に「行動をおこさないと何もできない」と言われ、これではいけないと思い起業を決意したのです。

——教育事業を選んだのは、前職の経験を活かした結果ですか。

じつは、教育がとくにやりたかったわけではないのです（笑）。ただ、男性と女性とは本質的に違う生き物で、モチベーションのポイントも違うのに、女性の特性に合わせた戦力化の研修がなぜないのだろうという疑問は常々持っていました。

女性の場合、集合研修を一度行なって意識付けするよりも、細かいフォローを継続的に行なう方が意識を高めやすいと感じていたので、ならば、自分でそうした教育研修をやろうと考えたのです。加えて、結婚や出産で仕事を辞めないといけないという友人が周囲に多かったこともあり、女性が働きやすい環境作りと女性の戦力化を一緒に事業にしようと決めたのです。

——起業までにはどんな準備をしましたか。

起業を決めたとき、3つの準備をしようと考えました。ひとつは資金で、これは給料を貯金するなどして準備しました。もうひとつは、ビジネスプランの構築。これは、いろんな経営者の人に会いながらブラッシュアップしていきました。3つ目は、人脈作り。自分の事業を応援してくれそうな経営者の知り合いを増やしました。そうした準備に1年ほどかけ、決意から1年後の09年10月に会社を設立しました。

——これまでの事業の状況はどうですか。

これまでは「ハピカレ」を中心に取り組んできましたが、これだけだと収益になかなか結び付かないので、ここ数カ月は企業向け研修の方に力を入れています。起業から半年ほどは人脈作りに取り組んできましたが、今月(2010年3月)に入ってようやく「女性を元気にする研修なら片山さん」というイメージを持ってもらえるようになり、研修の声もかかるようになってきました。

——起業して大変だったことはありますか。

売り上げが上がらないことがこんなに大変だとは思いませんでしたね（笑）。前の会社で年間トップセールス賞を3回受けましたが、それは会社の看板があったからこそできたことだと、独立して初めて気がつきました。看板もない状況で一から人脈を築くのは大変ですが、関西で20代の女性で起業した人は少ないため、協力しようと言ってくれる人も多いので、こうした声を励みに頑張っていきたいと思います。