起業の先人に学ぶ
第4のビジネスはフードトラック【ユーロトラッシュ】
従来からニューヨークにはストリートフードが多く、オフィス街では人気の屋台に行列ができるほど。最近はグルメフードやデザート、エスニックフードなど、さまざまなタイプの「フードトラック」がお目見えしている。
ユーロトラッシュ オーナー スヴァン・ワクスラー
スウェーデン出身。ライター、コメディアンなどとして働く一方、レストランで働いた経験も抱負。現在は引っ越し業、音楽リハーサルスタジオのレンタル、アンティークショップ経営に加え、2009年夏にフードトラック「ユーロトラッシュ」をスタートさせる。
空スペースを活用して新ビジネス
——すでにいくつものビジネスを手がけていますが、ユーロトラッシュを始めた理由は何ですか。
ニューヨークに来てすぐに引っ越しサービスの手伝いをしたことがきっかけで、引っ越し業を始めて4年になります。それからスペースを借りて、音楽リハーサルスタジオの時間貸しと古道具屋を始めました。ニューヨークの家賃は高いので、家賃の足しに、店の前の空きスペースを利用してできるビジネスはないかと考えて、09年の夏に始めたのが、フードトラック「ユーロトラッシュ」です。スウェーデン風ミートボールや英国風フィッシュ&チップスを安く提供しています。
——移動はしないのですね。
フードトラックは私の夢でした。でも、ストリートでの営業許可を取るには数年待たなければならず、また数千ドルの費用もかかるので、トラックは使ってもストリートではなく、店の前で営業することにしました。
北ヨーロッパのストリートフードがヒント
——メニューの特徴は。
メキシカンなどのフードトラックはたくさんあるので、何か別のメニューで、シンプルで手軽に作れて、しかも安く提供できるものにしたいと思いました。私はスウェーデン出身で、ヨーロッパをよく旅行しましたが、行く先々でストリートフードに出会いました。イギリスのフィッシュ&チップスやベルギースタイルのフライドポテトなどはとても人気があるので、こうした北ヨーロッパのストリートフードで差別化することにしました。
——この辺りの立地と客層についてお聞かせください。
ここはブルックリンのウイリアムズバーグという、若者に人気のエリアで、20〜30代のアーティストや若いファミリー、また、フランス人などヨーロッパの人たちも多く住んでいます。すぐ近くに2つバーがあり、そことの相乗効果があります。バーが忙しいときはこちらも忙しい。お客さんはここで食べてバーに行ったり、飲んでいたあとにここで食べたりしています。
安くてボリュームたっぷり
——利益は出ていますか。
今のところ、人件費も入れて、収支とんとんというところです。夏は週末には100人以上お客があり、幸先が良かったのですが、冬場はむずかしいですね。4月までは週末だけの営業にしようかと考えています。フィッシュ&チップスやスウェディッシュミートボールなどのメインディッシュはすべて5ドル(このほか、ベルギー風フライドポテト3ドル、フレンチコーンドッグ2ドル、ドリンク類1〜2ドルなど)なので、客単価は5〜6ドルくらいです。
——今後の展望をお聞かせください。
以前この辺りは工業地区でしたが、最近は新しいアパートもどんどん増え、それに伴い、このストリートの小売店やレストランも最近オープンしたばかりです。これから人が増えて徐々にビジネスが上向いて行くことを期待しています。
企業データ
- 企業名
- ユーロトラッシュ
- 所在地
- 106 North 3rd Street, Brooklyn
- Tel
- 1-718-487-9806
- 営業時間
- 火〜木/午後5時〜午後10時、金・土/午後5時〜午前3時、日/午後3時〜午後8時
掲載日:2010年3月 9日